1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680874
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小池 智 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30195630)
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Keywords | 大脳皮質 / 機能領野 |
Research Abstract |
哺乳類の大脳皮質は運動野、視覚野、聴覚野など多くの機能的領野に分かれており、各々の領野は特徴的な細胞構築、神経細胞間結合を有している。これらの機能的、構造的違いを遺伝子レベルで明らかにすべく、旧世界ザルの大脳皮質の領野特異的に発現している遺伝子の検察を試みた。初めに細胞構築の最も大きくことなる一次運動野(Brodmannの4野)、一次視覚野(17野)の比較を行った。 カニクイザル、アフリカミドリザルの大脳皮質の4野、17野を採取、RNAを調整しpoly(A)^+RNAからcDNAを結合した。以下の2つの方法で特異的発現パターンを示すcDNAを探した。 1)Suppression Subtractive Hybridization(SSH)法 Diachenko et al.(1996)PNAS 93:6025-6030によって開発されたSSH法によって4野、17野間で差のある可能性のある多くのcDNAを得たが、これらのcDNAはdifferential hybridization法で再確認を行ったところ差が見られなかった。種々のコントロール実験は成功しているのでSSH法の手法は問題なく確立されていると考えられるが、今だこの方法で特異的な遺伝子が見つからないところから、4野と17野でall or noneで発現している遺伝子はほとんど存在しないか、非常に微量にしか存在しないためクローンを得ることが非常に難しいと考えている。 2)Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)法 Velculescu et al.(1995) Science 270:484-487によって報告されたSAGE法はcDNAの特定の一部分を網羅的にシークエンスする方法で、2つの領野間で発現が量的に異なっている遺伝子を検索するのに優れている。(all or noneで発現しているものでなくても見つけることができる。)現在この方法を確立し、4野、17野から各々1500クローンずつをシークエンスし比較した。統計的に信頼性のあるデータを得るためには最低でもこの10倍程度のシークエンスデータを得る必要があると考えられるので、実験を継続中である。
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