1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
佐藤 悠 山梨医科大学, 医学部, 教授 (60111746)
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Keywords | 小脳 / モジュール / プルキンエ細胞 / 視運動反射 |
Research Abstract |
慢性覚醒ネコにおいて小脳片葉内のプルキンエ細胞より細胞外記録を行った。記録電極には硝子微小電極、または硝子で被覆したタングステン微小電極を使用し、電極抵抗の測定には補助金により購入した微小電極抵抗計(日本光電MZZ-1100)を使用した。細胞外誘導には補助金により購入した微小電極用増幅器(日本光電MEZ-8300)を使用した。小脳片葉の同定には補助金により購入したアイソレーター(日本光電SS-701JS)を使用し、前庭神経の電流刺激により4msecほどの長潜時の誘発電位を指標とした。プルキンエ細胞の同定には単純、複雑スパイクが同時に記録できることを指標とした。プルキンエ細胞の細胞外記録中に空間的、時間的ウインドウディスクリミネーターにより単純スパイクと複雑スパイクを分離し、PSTヒストグラムを作成し、ランダムドット視覚パターン移動刺激を行なった。細胞は方向選択性により2種類にわけられた。水平型プルキンエ細胞の複雑スパイクは記録と反対側へ向かう刺激で活動増加し、同側刺激で減少した。水平型プルキンエ細胞の単純スパイクは記録と反対側へ向かう刺激で活動減少し、同側刺激で増加した。水平型細胞は垂直方向刺激に反応しなかった。垂直型の複雑スパイクは上向き刺激で活動増加し、下向き刺激で活動減少した。垂直型の単純スパイクは下向き刺激で活動増加し、上向き刺激で活動増加した。垂直型細胞は水平刺激に反応しなかった。単純、複雑スパイクの反応は相反性であった。それぞれのスパイク反応が視覚パターンの移動によるものなのか、それとも視覚パターンの移動に伴う視運動眼球運動によるものなのかは現在研究を続行中である。
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