1997 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的突然変異をもちいたpH変動による筋収縮Ca感受性変化の分子機構を解明
Project/Area Number |
08680891
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 幸生 九州大学, 医学部, 助教授 (50202362)
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Keywords | 部位特異的突然変異 / pH / 筋収縮 / カルシウム / トロポニン |
Research Abstract |
横紋筋収縮のCa感受性は、酸性pHで低下するが、その感受性は筋肉のタイプにより異なり、心筋>骨格筋速筋>骨格筋遅筋の順であることが知られている。我々はこれまでの研究において、独自に開発した筋原繊維内トロポニンサブユニット分子交換法をもちいて、骨格筋速筋と骨格筋遅筋の間にみられれる酸性pH感受性の違いがトロポニンによってもたらされていることを明らかにした。本研究は、さらに各種筋肉におけるトロポニンサブユニットのアイソフォームのpH感受性における役割を明らかにするとともに、異なるpH感受性を与える分子内の部位あるいは領域を特定することによって、pHによる筋収縮Ca感受性修飾の分子機構を明らかにすることを目的にしている。そのために、各種筋肉のトロポニンサブユニットの部位悔いてき特異的ミュータントの作成する必要があると考え、現在トロポニンサブユニットcDNAクローニングをおこなっている。これまでにニワトリ速筋トロポニンT・I・Cサブユニット、ヒト心筋トロポニンT・I・Cサブユニットに対するcDAのクローニングに成功している。これまでの研究によって、pH感受性にトロポニンTは関係せず、おそらくトロポニンIとCの両方が関与していることが明らかになった。(トロポニンCには心筋と速筋の2種のアイソフォームがあるが、心筋アイソフォームは速筋アイソフォームより高い酸性pH感受性を与える。一方、トロポニンIには心筋、速筋と遅筋の3種があるが、酸性pH感受性に関しては心筋と速筋のあいだに差はなく、遅筋アイソフォームはそれらに比べて低いpH感受性を与えるというユニークな性質をもつ。)。そこで今後、得られている心筋と速筋トロポニンCのcDNAを使ってミュータジェネシスをおこなうとともに、まだ成功していない遅筋トロポニンのサブユニットのcDNAクローニングを試みる予定である。
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[Publications] Y.Mizukami,K.Yoshioka,S.Morimoto,K.Yoshida: "A Novel Mechanism of JNK/Activation" J.Biol,Cham.272(26). 16657-16662 (1997)