1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680924
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
谷口 郁雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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Keywords | 聴覚皮質 / 光学的計測 / 神経活動の時空間パターン / 純音 / 周波数変調音 / 神経集団ダイナミクス |
Research Abstract |
ネンブタール麻酔したモルモットの聴覚皮質を電位感受性色素RH795で染色し、聴覚皮質の活動を、落射型蛍光顕微鏡と144チャンネルフォトダイオードアレイを用いて蛍光強度の変化として計測した。計測領域は3mm×3mmであり、フォトダイオードアレイの各チャンネルは250μm×250μmの領域の活動を記録する。刺激音として純音、周波数変調(FM)音および経時的に与える2つの純音を用いた。聴覚皮質には、特定の周波数の音に応答する神経細胞が周波数順にバンド状に並ぶtonotopic organizationと呼ばれる構造がある。光学的計測により、純音刺激に対して周波数バンドが活動する様子を2次元的にとらえることができた。音の周波数を変えると、その周波数に対応した皮質位置に活動バンドが現れ、tonotopic organizationが確認された。純音に対する活動は一過性であり、純音の持続時間に関わらず、最初に20〜30ms続く興奮活動が現れ、その後に100〜150ms続く抑制が現れる。興奮活動は周波数バンド内を腹側方向(一部背側方向)に移動する。抑制活動バンドの周辺で最も強く、活動バンドを挟むようにあるは取り囲むように現れる。FM音を刺激に用いた場合、興奮活動は、最初に、FM音の開始周波数に対応する皮質位置に純音刺激の場合と同様の活動が現れ、その後周波数変調に応じて活動スポットが周波数バンドを横切る方向に移動して行く。周波数の変調の方向を逆転すると活動スポットの移動方向も逆転する。経時的に2つの純音を与えた実験から、周波数バンド間には相互抑制があること、抑制の強さは低周波が高周波を抑える方がその逆よりも強いこと、また周波数バンド内にはより強い抑制が働くことが分かった。これらの結果から、聴覚皮質は音の情報を時空間的にダイナミックに表示していること、さらに、周波数変化が検出されやすい神経構造をもっていることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Horikawa,J.: "Optical imaging of spatiotemporal patterns of glutamatergic excitation and GABAergic inhibition in the guinea-pig auditory cortex in vivo." J.Physiol.(London). 497. 629-638 (1996)
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[Publications] Horikawa,J.: "Optically measured spatiotemporal distribution of excitation and inhibition evoked by two-tone sequences withing the guinea pig auditory cortex." Proc.Acoust.Soc.Jpn. 657-658 (1996)
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[Publications] Horikawa,J.: "Optical recording of spatiotemporal activityu of guinea pig auditory cortex in reponse to FM sounds." Neurosci.Res.Suppl.20. S206 (1996)
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[Publications] Hosokawa,Y.: "Effect of ineraural intensity and time difference on neuronal activity pattern of guinea pig auditory cortex observed by optical recording." Proc.Acoust.Soc.Jpn. 665-666 (1996)
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[Publications] Hosokawa,Y.: "Effect of interaural time difference on neural activity patterns of the guinea pig auditory cortex observed by optical recording." Neurosci.Res.Suppl.20. S206 (1996)