1997 Fiscal Year Annual Research Report
携帯型人工膵島の長期臨床応用-超速効型インスリン皮下注入アルゴリズムの開発-
Project/Area Number |
08680930
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
榊田 典治 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50170577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城谷 哲也 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30274715)
七里 元亮 熊本大学, 医学部, 教授 (00028515)
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Keywords | 携帯型人工膵島 / インスリン皮下注入アルゴリズム / 糖尿病 / 超速効型インスリンアナログ |
Research Abstract |
現在の携帯型人工膵島はインスリンを静脈内に注入する事により生理的な血糖制御と血漿インスリン動態を再現しうる。しかし,その長期臨床応用のためには,安全性および管理の面よりインスリンは皮下注入とする事が望ましいが,携帯型人工膵島において速効型インスリン皮下注入時に生理的インスリン動態を再現することはできない。そこで本年度は,超速効型インスリンアナログ(Insulin Lispro)を用いたclosed-loopインスリン皮下注入アルゴリズムを試作し,膵全摘犬やインスリン依存型糖尿病患者における血糖制御を試みた。 1)膵全摘糖尿病犬による検討 シミュレーションの結果と同様,Insulin Lisproを適用した本アルゴリズム作動下において,食後高血糖,高インスリン血症,食後低血糖を認めることもなく,膵全摘犬の経口ブドウ糖負荷時における生理的血漿インスリン動態を再現し得た。 2)糖尿病患者における検討 経口ブドウ糖負荷時において,血漿インスリン濃度は,前値7.0±0.8μU/mlより上昇し,60分後に頂値69.8±9.8μU/mlに達し,以後漸減した。血糖値は前値95.0±1.4mg/100mlより60分後に頂値153.1±8.3mg/100mlに達し,以後漸減,3時間後に94.8±7.1mg/100mlとほぼ前値に復した。全経過を通じ,低血糖を認めず,生理的血糖制御が可能であった。さらに,24時間にわたる血糖制御においては,24時間を通じて血糖値は200mg/100ml以下であり,生理的に近い血糖制御が可能であった。 以上,携帯型人工膵島の長期臨床応用を目標にInsulin Lisproを適用したclosed-loop皮下注入アルゴリズムを開発し,インスリン依存型糖尿病患者に応用した結果,経口ブドウ糖負荷時及び24時間にわたり,低血糖を来すことなく,かつ血糖値を200mg/100ml以下に抑えることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Motoaki Shichiri et al.: "Enhanced,Simplified Gucose Sensors:Long-Term Clinical Application of Wearable Artificial Endocrine Pancreas" Artificial Organs. 22(1). 32-42 (1997)
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[Publications] Seiya Shimoda.et al.: "Closed-loop subcutaneous insulin infusion algorithm with a short-acting insulin analog for long-term clinical application of a wearable artificial endocrine pancres" Frontiers Med.Biol.Engng.8(3). 197-211 (1997)
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[Publications] 下田誠也ら: "超速効型インスリン・アナログを用いたclosed-loopインスリン皮下注入アルゴリズムを適用した携帯型人工膵島の長期臨床応用" 人工臓器. 27(1). 233-237 (1998)
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[Publications] 今野由美ら: "携帯型人工膵島の長期臨床応用" 日本臨床. 55(725). 282-287 (1997)
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[Publications] 七里元亮ら: "人工膵島の現況と課題" 総合臨床. 46(11). 2809-2815 (1997)