1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 助教授 (30143530)
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Keywords | 生体組織 / 表面波 / ずり弾性率 / ゲル / 鶏ささみ / 牛心筋 / 牛レバ- |
Research Abstract |
前年度の鶏ささみ肉に加えて牛レバ-、牛心筋、の生体組織のずり弾性率を表面弾性波伝搬特性から決定した。1〜2kHzで測定したレーリー波速度・吸収は線維組織のある牛心筋、鳥ささみでは伝搬方向依存性を示した。繊維組織の弾性率テンソルは六方晶系の結晶と同じ対称性を持つ。この場合のレーリー波方程式を解析的に解くことができ、表面波速度から弾性率テンソルが求められることを示した。また15MHzの縦波音速測定の結果を用いて弾性率テンソルを求めた。表にささみ肉と牛心筋の2.2kHzでのc_<44>,c_<66>の実部と虚部をまとめた。 牛レバ-は等方体であるから方向性はなく、2.2kHzでずり弾性率の実部、虚部はG'=7.7x10^4 Pa, G"=1.1x10^5 Pa が得られた。縦波弾性率はM=2.63x10^9 Paであった。これらを過去のMHz域データと比べると、MHz域での値の方が2〜3桁大きい。つまり、ずり弾性率は周波数とともに増加するので、何らかの緩和現象が存在することが始めて明らかになった。超音波の医用応用に際して重要な知見を提供するものである。 また、生体ゲル上を伝搬する表面波の理論解析を行ったところ、レーリー波モードの他に類似表面張力波という新しいモードの存在が予測され、その実験的検証を準備している。
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