1996 Fiscal Year Annual Research Report
微小気泡超音波造影剤を利用した超音波血管造影システムの研究
Project/Area Number |
08680941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
竹内 真一 桐蔭横浜大学, 工学部・制御システム工学科, 助手 (50267647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥嶋 基良 桐蔭横浜大学, 工学部・制御システム工学科, 教授 (80016766)
KAWAN Soetan 桐蔭横浜大学, 工学部・制御システム工学科, 教授 (40260997)
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Keywords | 微小気泡超音波造影剤 / 超音波血管造影システム / 非線形応答特性 / 界面活性剤系造影剤 / 第2高調波 / 複合超音波トランスデューサ / 圧電セラミック振動子 / 高分子圧電膜振動子 |
Research Abstract |
本研究は、微小気泡超音波造影剤の非線形的挙動に基づく高調波成分を検出することにより造影剤の存在する血管や毛細血管が周囲に発達する癌組織を従来より鮮明に描出する超音波血管造影システムに関するものである。 本年度は、このシステムに適した造影剤に求められる条件、最適な超音波照射条件等を明確にするために、理論的および実験的研究を進めた。造影剤の非線形応答特性の解析をより現実的なものに近づけるために現象の解析プログラムに気泡の粒径分布、寿命延長のために気泡の周囲に施すコーティング膜の影響、気泡空間分布のランダム性等を考慮できるように大幅な変更を行った。また、並行して当研究室製の界面活性剤系造影剤を用いた第2高調波成分の検出実験を行い、本システムに有効であることも確認できた。さらに、解析と実験の結果を比較することにより、上記理論解析の有効性もほぼ検証できた。 次に、本システムに適した超音波センサとして複合超音波トランスデューサを提案した。基礎検討の段階では造影剤の発生する高調波成分の検出に、送信用と受信用の2つの超音波トランスデューサを使用した。従来の超音波診断装置では、送受信に同じ超音波トランスデューサを使用するが、このような構成では第2高調波成分の検出感度が極めて低く、本研究の血管造影システムには不適切なためである。しかし、実際の超音波診断にあたって基礎検討段階と同様に送受信に別の超音波トランスデューサを使用することは操作性が非常に悪く非現実的であった。そこで、送信用(超音波造影剤の高調波成分励起用)に適した圧電セラミック振動子および音響整合層と受信用(高調波成分検出用)に適した高分子圧電膜振動子を積層構造にして一つのケースに収納した複合型超音波トランスデューサを設計、試作し、その有効性を確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 竹内真一: "微小気泡の非線形応答特性に関する検討-粒径分布の影響-" 平成8年度日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 987-988 (1996)
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[Publications] 竹内真一: "超音波造影剤の非線形的挙動に基づく高調波成分の検出に関する実験的検討その1" 日本超音波医学会第67回研究発表会講演抄録集. 262 (1996)
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[Publications] 竹内真一: "微小気泡の非線形応答特性と気泡濃度の関係に関する解析的検討" 第17回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集. 147-148 (1996)
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[Publications] 竹内真一: "超音波造影剤の非線形的挙動に基づく高調波成分の検出に関する実験的検討その2" 日本超音波医学会第68回研究発表会講演抄録集. 273 (1996)
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[Publications] 竹内真一: "コーティング膜および粒径分布を考慮した超音波造影剤の非線形応答-解析と実験の比較-" 平成9年度日本音響学会春季研究発表会講演論文集. 993-994 (1997)
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[Publications] カワン・スタント: "超音波血管造影システム用複合超音波トランスデューサの検討" 平成9年度日本音響学会春季研究発表会講演論文集. 1171-1172 (1997)