1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08710044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川上 正浩 名古屋大学, 教育学部, 助手 (40242789)
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Keywords | 仮名単語 / 表記頻度 / 出現頻度 / 3文字語 |
Research Abstract |
本研究は,日本語を材料とし,単語そのものの頻度とは独立に,表記の頻度が当該表記で視覚提示された単語の認知過程に及ぼす影響について検討を行うものである.被験者が特定の語をどの表記で見慣れているのかに関しての質問紙調査を行う必要がある.本研究では,一般的な実験の被験者層である大学生を対象にして,表記形態に関する質問紙調査を実施した.この調査は,様々な語そのものの頻度(親近性)及びそれぞれの表記の頻度(親近性)についての基礎的なデータを収集するためのものであり、様々な語がどの表記形態で見慣れているのかを明らかにする.本研究では,特にカタカナで表記される語について,この語を日常どの程度目にするか,その単語を実際目にする際にひらがな,カタカナのいずれの表記で書かれることが多いか,の2点について調査を行ない,心理学実験を行なうための刺激選択の基準を構築することを目的とする.この調査で得られたデータをもとに,認知実験で使用する刺激を選択する.カタカナ表記語の選択は,コンピュータ上に構築された日本語変換システムの辞書に登録されたものから選択した.具体的には,日本語変換システムATOK8 for Macintosh(株式会社ジャストシステム)の辞書より,3文字で書かれる語を選出した.次に,直音(子音一つと母音一つからなる音で,かな一字で書き表される音)3文字で構成され,カタカナ表記語として辞書に登録されている語を選択した.さらにその中から調査に不適切と判断された語を除いた449語を刺激とした.その結果,これら449語について,親近性及びカタカナ表記度の平均得点,標準偏差が算出された.この調査に基づき,表記の親近性と語彙判断課題における判断時間との関係を調べる実験を現在遂行中である.
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Research Products
(1 results)