1996 Fiscal Year Annual Research Report
日米市場の構造的変化の分析(1985年〜1990年)
Project/Area Number |
08710149
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
安田 雪 立教大学, 社会学部, 助教授 (00267379)
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Keywords | ネットワーク分析 / 市場構造 / 産業構造 |
Research Abstract |
日米市場の構造的変化の分析(1985年から1990年) 本研究では、日米国際産業連関表(通産省,1995)をデータとし、日米両国内の市場及び輸出入を通じて日米間に成立する二国間市場の構造を、ネットワーク分析の手法を用いて記述し、その構造特性を分析した。分析結果の要旨は以下のとおりである。 I 1985年から1990年の日米市場の変化 A.日本国内市場の構造変化 日本国内の取引構造そのものは、安定しているものの、いくつかの市場の市場の占める位置が85年とは微妙に変化している。不動産・金融・証券市場などの相対的中心性が下がり、他市場への拘束度が低下している。製造業では、電気機器・電子機器市場の拘束度が若干上昇している。 B.米国国内市場の構造変化 米国の国内市場は規模の拡大が著しい。しかし、規模の拡大にも関わらず、安定性係数は高く、取引関係の構造には顕著な変化は認められない。1985年と比較すると、全般的に製造業が中心的な位置に近寄りつつある。また、電気機器市場、金融・証券市場の拘束度が高くなっている。 1990年の日米間市場の構造 C.日米間の市場構造は1985年と比較すると、多大な変化を遂げている。両国間とも市場の規模は拡大しているが、その構造には質的な変化が見止められる。1985年と1990年の日米市場間の取引きパターンは、まったく異なっており、1985年の「構造一成果」の関係を説明しえたモデルは、1990年については説明力をもたない。 現在、これらの計量的分析の結果について、1985年から1990年の経済状況の実態との整合性の確認をおこなっており、続いて最終的な原稿校正を行う予定である。近日中に、論文として学術誌に投稿が可能になる。
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