1996 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア・アムール河流域におけるツングース族に関する言語学的及び民族学的研究
Project/Area Number |
08710361
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (50243374)
|
Keywords | ツングース諸語 / 口承文芸 / 形態素分析 / 民族語彙 |
Research Abstract |
本研究の成果である「ナーナイの民話と伝説3」は、アムール川下流のツングース満州語の一つであるナーナイ族を実地調査して口頭文芸資料を録音採集し、その各単語を文法的に分析しつつ、音韻表記によって文字化して、ナーナイ語テキストを作製し、これを刊行したものである。これは、統語論をふくむナーナイ語の語学研究、ナーナイ族のフォークロア研究、文化人類学的研究の重要な資料になる。しかもこのテキストは録音のままを表記したもので、話し手から語った通りのテキストである点がその価値を高めている。 ナーナイ語は、今日その話し手の数が急速に減少し、日本の近くにある絶滅の機器に瀕した言語の一つである。その言語の記録は緊急事であるので、その点でもこの業績の意義は非常に大きい。
|
-
[Publications] 風間伸次郎: "ツングース諸語の方位語彙について" 北海道立北方民族博物館研究紀要. 第6号. (1997)
-
[Publications] 風間伸次郎: "ナーナイの民話と伝説3" 東京外国語大学, 150 (1997)