1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08720042
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 吾郎 岡山大学, 法学部, 助教授 (20273956)
|
Keywords | 経済法 / 反トラスト法 / 相互取引 / 比較制度分析 |
Research Abstract |
わが国流通市場における相互取引規制について、経済学的研究・比較法的研究を中心に、行った。 1)実証的研究 後述する経済学的・比較法的研究に、集中したため、この側面での研究は、ほとんど進んでいない。今後、特に、相互取引に経済的な合理性があるかどうかという観点からの、ヒアリングが重要であると考えられる。 2)経済学的研究 相互取引の違法性の根拠、規制手段の経済的効果を明らかにするために、日本及び米国における経済学の流通に関する経済分析に関する文献についての調査、および法と経済学の分野に詳しい法律学者との研究打ち合わせを行った。相互取引の経済合理性について、その取引形態だけではなく、日本経済システムの中での総合的に分析することが必要であると考え、経済学における「比較制度分析」に着目し、文献調査を精力的に行った。「比較制度分析」の前提となるゲーム理論の研究が、取引関係の分析に重要であり、それが、相互取引のみならず、わが国流通市場における取引慣行一般についても、有益な示唆を与えうる。今後、さらに、この観点からの研究が必要である。 3)比較法的研究 わが国規制についての何らかの示唆を得るという目的から、比較的研究の進んでいる米国反トラスト法における規制について、特に、その判例の展開、経済的効果の評価に関する研究を行い、その成果を、経済法学会において、報告した。特に、経済的効果について、有益な示唆を得た。
|