1996 Fiscal Year Annual Research Report
結び目の多項式不変量と3次元多様体の位相不変量の研究
Project/Area Number |
08740059
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮澤 康行 山口大学, 理学部, 助手 (60263761)
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Keywords | 結び目 / 絡み目 / 結び目解消数 / Jones多項式 / Skein多項式 |
Research Abstract |
結び目や絡み目、3次元多様体の幾何学的な情報を多項式不変量を用いて、解析することに興味を抱いて研究を行ってきた。とくにここ2年程は、結び目の幾何学的な位相不変量である結び目解消数とJones多項式との関係について研究を行ってきた。その結果、Jones多項式によって、結び目解消数を評価(詳しくは、結び目解消数が1かどうかを判定)することが出来るという事実を証明した。しかしながら、他の不変量、とくにskein多項式やKauffman多項式が結び目解消数を評価するかどうかは、まだよく分かっていないというのが現状であった。また、結び目解消数として、H(m)型結び目解消数を考えた場合、n=2のとき、Jones多項式+Conway多項式で結び目解消数を評価できるという結果も得ていたが、nが一般の場合には、まだよく分かっていないという状況であった。本研究においては、これらの不明な点を解明しようというのが主な目標であったが、その結果、いくつかの事柄が明らかになった。まず、結び目解消数と同様に定義される絡み目解消数に対して、skein多項式がその評価に利用できることが示せた。例えば、2成分の絡み目の絡み目解消数が1のものは、2つのタイプに分けられるが、そのうちの一方について、skein多項式のある係数多項式が有用であるという定理を示すことが出来た。さらに、H(m)型結び目解消数について、nころのとき、結び目解消数と他の不変量(△型結び目解消数、4次元種類など)との関係式を導くことが出来、応用として他の不変量の決定に利用できる結果が示せた。しかしながら、Kauffman多項式と結び目解消数との関係はいまだ謎のままであるので、そのあたりが今後の研究課題としてあげられるだろう。
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