1996 Fiscal Year Annual Research Report
正準交換関係に関連した量子力学の関数解析的構造の解明
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08740163
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 秀司 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 助教授 (90222405)
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Keywords | 特異性をもつ作用素 / Sobolev型の埋め込み定理 / 係数が特異な偏微分方程式 / 多様体上の量子力学 / 自己共役性 |
Research Abstract |
1.Wignerによって発見された交換関係は、量子力学における正準交換関係の1つの拡張になっている。この交換関係にしたがう1次元調和振動子の運動量作用素は-iDで与えられる。ここで、D=∂/∂x-(c/x)R、Ru(x)=u(-x)、またcは実数のパラメータである。この作用素Dの特徴は原点x=0で特異、ということにある。パラメータcがゼロのときにはD=∂/∂xとなり、これについては偏微分方程式論で重要なSobolevの埋い込み定理やFriedrichs-Lax-Nirenbergの定理が知られている。その結果、偏微分方程式の弱い解の‘滑らかさ'についての知見が得られる。そこで、原点で特異になる上記のような作用素についても同様な定理が成立するのか、ということを調べた。このような作用素に関しては‘滑らかさ'のみならず‘原点における特異性'についての知見も期待できるからである。その結果、1次元についてのSobolev型の埋め込み定理を証明し、特異な係数をもついくつかの偏微分方程式へ応用した(研究発表欄の2つの論文)。さらに係数が特異な、ある拡散方程式のexplicitな解を発見したので論文にまとめ、現在は投稿中である。 2.正準交換関係が仮定された量子力学はEuclid空間上の力学法則とみなされる。他方、これ以外の交換関係を仮定することにより、いろいろな多様体上の量子力学が提案されている。そしてこれらが正しく量子力学となりうるためには力学変数が自己共役作用素でなければならない。したがって自己共役性の証明から、どれが量子力学として妥当であるかを判定できる。本年度はDiracの方法によるS^1上の量子力学について自己共役性を証明し、そしてスペクトルの解明を行った。また、これをS^1上の量子力学的粒子の運動を記述するSchrodinger方程式へ応用した。現在はこれらを論文にまとめ、投稿中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shuji Watanabe(渡辺秀司)(単著): "Sobolev Type Theorems for an Operator with Singularity" Proceedings of the American Mathematical Society. 125・1. 129-136 (1997)
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[Publications] Shlji Wtanabe(渡辺秀司)(単著): "An Embedding Theorem of Sobolev Type for an Operator with Singularity" Proceedings of the American Mathmatical Society. 125・3.
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[Publications] 839-848 (1997)