1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08740171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50221825)
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Keywords | 宇宙X線背景放射 / クエーサー / セイファート銀河 / 活性銀河中心核 / クエーサー母銀河 / 銀河団 / X線サーベイ / ASCA(又はあすか) |
Research Abstract |
1、深手宙探査について やまねこ座領域については、既に選定してあった可視対応天体候補の可視分光観測をアメリカ国立光学天文台の4m望遠鏡で行なった。その結果、X線の2-10keVバンド領域での宇宙X線背景放射の20-30%程度についてはその起源を明らかにでき、その大部分の可視対応天体は1型のクエーサーであることがわかった。これまでの観測ではわずか2-3%しか解明されていなかったので、この進展は大変大きいと言える。また、昨年度に発見していた、2型の高赤方偏移クエーサーについて、近赤外域での分光観測を英国4m赤外線望遠鏡を用いて行なった結果、Hα線でも幅の広い輝線はみられず、確かに2型であることが確認できた。また、近赤外での撮像データもハワイ大学2m望遠鏡で取得し、この天体が非常に赤い天体であることもわかった。これらのデータの許しい解析は現在進行中である。 2、広域探査について 既に取得していた撮像データより深い限界等級を持つ、撮像データを、ハワイ大学2m望遠鏡で取得した。対象は、X線領域でハードなスペクトルを持つものと、銀河団候補天体である。銀河団候補については、この観測でほぼ確実に同定することができた。赤方偏移は0.2-0.3程度と考えられる。またこれらのうち一部は、この天域近くに存在する赤方偏移0.2の宇宙の大規模構造の延長上に存在している可能性がでてきた。ハードソース(広域探査のなかで最もハードなソース)については、この撮像データとアメリカ国立光学天文台4m望遠鏡での分光観測と合わせて、2型のセイファート銀河であることがわかり、ハードソースの正体についての解明が進み始めたところである。
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[Publications] K.Ohta et al.: "Discovery of a Type-2 Quasar at Z=0.9" Astrophysical Journal Letters. 458. L57-L61 (1996)
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[Publications] K.Ohta et al.: "Detection of Molecular Gas in the Quasar BR1202-0725 at Redshift 4.69" Nature. 382. 426-428 (1996)
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[Publications] Y.Ogasaka et al.: "Results from ASCA Deep Sky Survey" Proc.of"X-Ray Imaging and Spectroscopy of Cosmic Hot Plasmas". 25-26 (1997)
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[Publications] Y.Ueda et al.: "ASCA Large Sky Survey and Studies of the Cosmic X-Ray Background" Proc.of "X-Ray Imaging and Spectroscopy of Cosmic Hot Plasmas". 27-28 (1997)
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[Publications] T.Yamada et al.: "A Type-2 Quasar at Z=0.9 and Quasar Host Galaxies" Proc.of"Ground-Based Astronomy in Asia". 292-293 (1996)