1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08740226
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鶴岡 徹 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20271992)
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Keywords | 自然形成量子ドット / 格子振動 / 分子線エピタキシ-法 / 電子エネルギー損失分光法 |
Research Abstract |
分子線エピタキシ-(MBE)法によりGaAs上のInAs自己形式量子ドットのサイズと密度を制御するためには,InAsの成長量を正確に決定する必要がある.そのために,まずインターフェースボードを購入し分子線セルの温度設定およびシャッターの開閉をコンピュータで行えるようにした.さらに,高速電子線回折(RHEED)スクリーン上にステージを設置し,明滅するRHEEDスポットを光ファイバーで集光し光電子増倍管で検出するシステムを構築した.この出力をコンピュータに取り込むことによって,既存の装置では不可能だったGaAs上のInAsの成長速度の正確な決定,および0.01分子層(ML)オーダーでのInAs成長量の制御が可能になった. 次に,InAsの成長量と成長温度を変えながら作製したドットを原子間力顕微鏡(AFM)で観察し,成長条件とドットのサイズと密度の関係を調べた.その結果,成長量が1.6MLから小さなドットの形成が始まり,1.8MLで数十nmオーダーのドットが急激に成長することが分かった.また,成長量が2MLのとき成長温度が480℃から520℃の範囲で,ドットのサイズが25nmから50nm,密度が10^<11>cm^<-2>から10^9cm^<-2>の間で制御可能であることも見いだした. 今後は,作製したInAsドットを高分解能電子エネルギー損失分光法(HREELS)で測定し,自己形成量子ドット構造に閉じこめられた振動モードを観測する予定である.
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