1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08740359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 正夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00251413)
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Keywords | 地下水 / 水位 |
Research Abstract |
静岡県伊東市にある井戸において、地下水位の連続観測を行った。観測期間中に、十分から数時間という長い周期のさまざまな水位変動が捉えられた。 1、13分周期の変動 この井戸においてはしばしば13分程度の周期の変動が観測される。この井戸は海に近く、またこの周期変動が台風の通過等の荒天に伴って観測されることが多いことから、海水の水位変動との関連が示唆される。しかし潮位の記録にはこの周期の変動は認めらず、潮位の変化を直接反映したものではない。この井戸から約500m離れた別の井戸でもやはり同じ周期の変動が観測され、この二つの井戸の水位変動の位相に今のところ有意な差は認められていない。今後、分解能を上げて精度良く観測を行い、より詳細な解析を行いたい。また観測を面的に広げることによって、この変動の発生のメカニズムを解明したい。 2、近傍の群発地震活動に伴う変動 1996年10月に伊東市発生した群発地震活動に伴って、この井戸で顕著な水位変動が観測された。地震活動の活発化に伴って水位は低下し、その後活動の静穏化に伴って水位は回復した。特に、地震活動が活発であった10月16日から18日にかけて数時間周期の水位変動が観測されたが、この変動と地震活動の消長との間に良い相関がみられた。地震活動が活発化するとともに水位が低下し、活動が弱まると水位が上昇しており、地震活動の消長に伴って地殻の膨張、収縮が起こっていることを示唆していると考えられ非常に興味深い。
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Research Products
(1 results)