1996 Fiscal Year Annual Research Report
初期続成作用によって形成された炭酸塩ノジュールの有機地球化学的研究
Project/Area Number |
08740402
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荻原 茂騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50214044)
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Keywords | 自生鉱物 / バイオマーカー / 続成作用 / ホパノイド化合物 |
Research Abstract |
堆積物中の有機物の一部は、続成作用初期に炭酸塩鉱物に代表される自生鉱物中に包有物として取り込まれる。本研究では、自生鉱物に取り込まれた有機化合物と母岩中の有機化合物の比較検討を行った。分析方法の確立のために炭酸塩に比べ有機物量の多い燐酸塩について分析を行った。用いた試料はMonterey層よりのphosphoriteである。その結果、自生鉱物内部には総bitumen量の28%が含まれる。内外n-alkaneの分布は、freeとHCI/free fraction、boundとHCI/bound fractionについてそれそれ良く似ているが、共に内部で高分子量の化合物に富み高L/H比を示す。CPI値はfree fractionの1.69に対してHCI/free fractionでは2.22と大きな値を持つ。また、Pr/Ph比は結晶内部で低く、外部で高い。SteraneC29αββ/ααα+αββ比及び29αααS/S+R比からは、結晶内部の方がやや高いmaturityを示す。結晶外部はββ型hopaneとhopeneで特徴付けられるのに対して、内部はαβ型hopaneが卓越しhopeneは見られない。Hopane C31ββ/αβ+ββ比及びhopane C31 αβ22S/22S+R比から、HCI/free fraction はfree fractionと比べて高いmaturityを示す。Bound fractionとHCI/bound fractionでは、モノカルボン酸の分布が異なる。Bound fractionではββ型hopanic acidと28-norhopanic acidが卓越するのに対してHCI/bound fractionでは、hopanic acidはβα型であり28-norhopanic acidは含まれない。以上のような結果が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 荻原茂騎: "埋没続成作用による斜プチロル沸石から方沸石,輝沸石への相変化機構" 粘土科学. 36・2. 73-85 (1996)
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[Publications] S.Ogihara: "Diagnetic transformation of clinoptilolite to analcime in silicic tuffs of Hokkaido Japan" Mineral,Deposita. 31. 548-553 (1996)