1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08740420
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
篠田 圭司 大阪市立大学, 理学部, 講師 (40221296)
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Keywords | ブルーサイト / 高圧赤外分光法 / ダイヤモンドアンビル / OH結合の方位 |
Research Abstract |
高圧下における鉱物中の"水"の状態分析法を確率するためダイヤモンドアンビリセル(DAC)をフーリエ変換型偏光顕微赤外分光器に据え付け、高圧下における赤外吸収スペクトルその場測定を可能にした。DACは赤外顕微鏡下での作業スペースの制限から三点クランプ式DACを用いた。発生圧力の検出にはルビー蛍光法を用いた。ルビー蛍光測光のためロックイン方式による可視分光器を作成した。顕微可視分光器は、蛍光誘起用レーザ、チョッパー、偏光顕微鏡、ロックインアンプ、モノクロメーター、フォトマル、波長駆動装置、制御用パソコンからなる。この方法を用いてブルーサイトの高圧下での赤外吸収スペクトルを測定した。 ブルーサイト(Mg(OH)_2)は、その単純な科学組成と、その結晶構造が層状珪酸塩鉱物の基本構造をもつことから、含水層状珪酸塩鉱物の原型とみなされ、高圧下での挙動が研究されている。常圧下ではOHダイオールはc軸に平行に向いており、隣り合う層間において対向することはなく、層間にOH結合は働かない。高圧下でのブルーサイトの挙動に関する興味の一つは、圧力誘起により層亜にOH悦号が形成されるか否かである。本研究においては、ブルーサイト単結晶を用いダイヤモンドアンビルによる高圧下での偏光赤外吸収スペクトル測定及び偏光吸光度分布測定が行われ、圧力誘起による吸収ピークを確認した。圧力誘起による吸収ピークは、圧力誘起による新たなOH結合の形成を示唆している。吸収ピークの異方性から、圧力誘起により形成されるOHダイポールはc軸とは斜交する方向に配向し、c軸方向には対称性に支配されて等方的に分布すると考えられる。
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