1996 Fiscal Year Annual Research Report
気相イオン化で生成した有機イオン種のマトリックス単離赤外分光
Project/Area Number |
08740435
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山北 佳宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30272008)
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Keywords | マトリックス単離 / 赤外分光 / 気相反応 / 有機イオン種 / 多環芳香族炭化水素 |
Research Abstract |
本研究の目的は,気相イオン化とマトリックス単離を用いた有機イオン種の赤外分光法を開発することである。そこで,(1)有機イオン種生成部分の製作と(2)低温用真空槽の改良を行なった後,(3)多環芳香族炭化水素イオンの赤外吸収スペクトルの測定と(4)質量選別化学種の赤外吸収スペクトルの測定を行なうことを目標に研究を行なった。 (1)の有機イオン種生成部分は,現有の同軸筒型グリッド電子銃に改良を加え,低温用真空槽と真空排気型赤外分光器に取り付けられるよう,ベースフランジとベローズつきニップルの製作を行った。また,本研究費により有機イオン種生成真空槽や高圧電源(2kV)の製作も行なった。(2)の低温用真空槽は既に製作されていたが,真空排気装置の性能が不十分で必要とする真空度まで到達しえなかった。また,真空測定装置も本研究で必要となる10^<-4>Pa以下の真空度を測定するには不十分であった。そこで本研究費により,真空排気装置をターボ分子ポンプから油拡散ポンプに置き換え,電離真空系を真空槽に直接取り付けられるよう改良を施した。その結果,マトリックス単離と気相イオン化で必要とするに十分な真空度と低温が得られるようになった。(3)の多環芳香族炭化水素イオンに関しては,密度汎関数法を用いた理論計算によりナフタレンからペリレンまでに至るまでの多環芳香族炭化水素のイオンについて,赤外吸収スペクトルのシミュレーション計算を行なった。また,イオン種のスペクトルを解析する上で不可欠となる中性分子のスペクトルの測定と精密解析を行なった。(4)の質量選別化学種については,四重極マスフィルターを用いた実験の測定条件に関する重要な知見を得た。
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