1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08740554
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
久保 勘二 神奈川大学, 工学部, 助手 (00281452)
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Keywords | ホストーゲスト化学 / フルオロイオノファー / けい光 / 電子移動 / エキシプレックス / エキシマー / X線構造解析 / 消光 |
Research Abstract |
超分子構造を有する機能性ホストの合成の一貫として、けい光ペンダントをイオノファーに組み合わせたフルオロイオノファーを合成し、溶液中における基底状態並びに励起状態のホストーゲスト相互作用を解明し、新規マルチ機能(選択的捕捉・分離・輸送・分子センサー等)を有する優れた機能性分子の新規開発をおこなった。 イオノファー、スペーサー、機能性分子(けい光分子)を組み合わせた機能性ホストの中で、ジピレニルメチルジアザクラウンエーテル誘導体は分子内の窒素原子からピレン環への電子移動を経由したけい光消光が認められた。実際、X線結晶解析による構造からも、ピレンとアミン窒素原子の間にC-N接触が認められた。 ジピレニルメチルジアザクラウンエーテル誘導体は金属イオン滴定実験において、金属イオンに依存して発光強度の増大とモノマー/エキシマー発光強度比(I_<ex>/I_m)の変化が観測された。メタノール中においてはカルシウムイオンとカリウムイオンに対して顕著な発光スペクトル変化が認められ、二液分配法においては銅イオンと銀イオンに対して顕著な発光スペクトル変化が観測された。また、ジナフチルメチルアザクラウンエーテルはバリウムイオンに対して顕著な発光スペクトル変化が観測された。 以上、けい光消光とエキシマー発光を利用したフルオロアザクラウンエーテルはけい光スペクトルから金属イオンの形や価数を確認することができることから、金属イオン高感度定量分析試薬としての応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kubo: "Preferential coordination of mercury (II) to oxygen over sulfur atomsin at ropone-attached dithiocrown ether" Acta Cryst.52C(7). 1656-1658 (1996)
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[Publications] K.Kubo: "Synthesis and Properties of N,N'-Bis (1-Pyrenylmethyl)-1,4,10,13-tetraoxa-7,16-diazacyclooctadecane." Chem.Lett.11. 959-960 (1996)
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[Publications] K.Kubo: "Synthesis and Fluorescence Properties of N-(1-Pyrenylmethyl)-18-diazacrown-6 Ether" Kyushu Daigaku Kinou Busshitsu Kagaku Kenkyusho Hokoku. 10(1). 85-87 (1996)
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[Publications] K.Kubo: "N,N'-Bis (1-Pyrenylmethyl)-1,4,10,13-tetraoxa-7,16-diazacyclooctadecane." Acta Cryst.53C. 132-134 (1997)