1996 Fiscal Year Annual Research Report
発色団を持つ自己組織化単分子膜を用いた2次元系の光物性の研究
Project/Area Number |
08750027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10214305)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / チオール誘導体 / メロシアニン / 溶媒効果 / 2次元系 |
Research Abstract |
2次元系の光物性を詳しく研究するため色素分子を自己組織化単分子膜として累積し、光学測定を行うことが本研究の目的である。まず、色素として棒状のメロシアニン色素を選びそれをチオレート誘導体として金属基板上の累積することにした。本研究の前半はこの化合物を高い純度で合成することに費やした。その結果、自己組織化単分子膜を形成するために十分な純度の目的物質を合成することに成功した。このメロシアニン色素は溶媒効果を示すため、まず、様々な溶液中での吸収スペクトルや蛍光スペクトルの測定を行った。既に報告されているメロシアニン色素単体の吸収スペクトルとの比較を行った結果、そのメロシアニンの性質を失うことなく金属基板上に累積できる誘導体となっていることがわかった。次にこの化合物を金属基板上に自己組織化単分子膜として累積できているかどうかを調べるためX線光電子スペクトルを測定し吸着速度等を調べた。1mMのエタノール溶液中に金基板を浸したところ、約2時間で95%以上の被服率で表面を自己組織化単分子膜が覆っていることがわかった。得られた自己組織化単分子膜を様々なpHの水溶液に暴露したところ、溶液中と同じく溶媒効果を示すことが反射スペクトルの測定によってわかった。さらに様々な極性の有機溶媒にも暴露しその反射スペクトルを調べた。興味深いことに各々のピークの帰属は溶媒中のそれと若干異なるため、現在その理由を色素分子間の双極子-双極子相互作用を取り入れた計算機実験を行っている。用いた2次元結晶に関する数値は、既に報告されている走査型トンネル顕微鏡での観察結果を用いた。この計算では想定している双極子数が5000と非常に大がかりであるため終了まで数カ月が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kotaro Kajikawa: "J-Aggregates in a Langmuir-Biodgett Monolayer Probed by Scanning Near-Field Optical Microscopy" Colloid and Surfaces A. (印刷中).
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[Publications] Shiyoshi Yokoyama: "Surface strucuture and orientation of polyamic acid alkylamine salt Langmuir-Blodgett films having an azobenzene pendant unit" Thin Solid Films. 273. 254-257 (1996)
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[Publications] Robart Hall: "Structure Morphology of Aggregates in Adsorbed Dye Monolayer Films" Thin Solid Films. (印刷中).