Research Abstract |
本研究期間内に,高分解能の反射位置計測法であるマルチモードレーザリフレクトメトリーに関して,信号検出部に高速・高感度なマルチチャンネル検出器を用いることにより,大幅な性能向上を目指した新規な方式を発案し,その基本特性を理論・実験双方から検討を行なった。その結果,以下の様な研究成果を得,論文欄に記載のように公表し,更に,論文誌(Applied Optics)に投稿中である。また,この方式による応用の一つとして,ガラス板の微妙な厚み分布の測定に成功し,近日中に発表予定である。 1. これまで,不明確であったマルチモードレーザリフレクトメトリーの空間分解能に関して,理論的に導出を行うと共に,実験的な裏付けを行った。その結果,マルチモードレーザを光源に用いることにより,レーザとしてのコヒーレントな特性を保持したまま,ショートコヒーレント光源と同等の空間分解能を達成可能であることを明らかにした。 2. マルチモードレーザリフレクトメトリーにおけるスペクトル走査をマルチチャンネル検出方式を用いることにより,光学的スループットを向上させると共に,市販のマルチチャンネル検出器を用いて,計測時間を1/30に短縮し,1測定あたり0.1秒の高速測定を実現した。 3. 現有システムにおいて,市販のマルチモードレーザを用いて,空間分解能24μmと1走査たりのオペレーティングレンジ500μmを達成していることを実験的に確認し,理論解析結果との良好な一致を得た。 4. 反射位置測定精度に関して,検討を行い,ガラス中で1.2μmを実現し,応用測定としてガラス板の厚み変動を測定し,微妙な変動を捉えることに成功した。 5. 高空間分解能とオペレーティングレンジの拡大を可能にする,マリチモードレーザの広帯域化に関して,外部鏡の設計が鍵となるが,所望の反射特性を得る為には,更なる検討が必要であることが分かった。
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