1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子パッケージ薄膜配線のエレクトロマイグレーション強度評価パラメータの特定と応用
Project/Area Number |
08750095
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹川 和彦 東北大学, 工学部, 助手 (50250676)
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Keywords | 電子パッケージ / 薄膜金属配線 / 電流特異性 / 温度勾配特異性 / 角部 / エレクトロマイグレーション / 数値シミュレーション / 強度評価パラメータ |
Research Abstract |
本研究は,電子パッケージ内金属薄膜配線のエレクトロマイグレーション損傷に対する普遍的評価法を確立すること,ならびにその応用を図ることを目的とするものである。以下の項目の研究を実施した。 1.エレクトロマイグレーション強度評価パラメータの定式化 エレクトロマイグレーションの発現理論式および角部における電流・温度の解析解を用い,さらに原子論に基づいたエネルギ的考察を加えてエレクトロマイグレーション強度評価パラメータの定式化を行った。 2.エレクトロマイグレーション加速通電試験による実験的検証 エレクトロマイグレーション加速試験を行い,項目1.で定式化された強度評価パラメータと実際の現象との関連を捉えることにより,本評価パラメータの有効性を検証した。本評価パラメータには,入力データとして電流密度,電流密度の勾配,温度,温度勾配が含まれる。研究代表者らは,薄膜配線の角部において電流密度ならびに温度勾配が特異性を示すこと,およびその大きさの表示を既に明らかにしている。そこで,角部におけるこれら特異性の大きさを配線形状などにより種々変化させた場合の,本評価パラメータと角部におけるボイド形成の様子を比較したところ,定性的によい相関が得られた。 3.数値シミュレーションによる検証 項目2.の実験検証を踏まえ,エレクトロマイグレーション損傷の数値シミュレーションにより,より詳細な本評価パラメータの有効性の検証を行った。実験においては角部における温度と温度勾配特異性の大きさを独立に制御することが困難である。そこで数値シミュレーションにより実験結果の補間を行い,これらの問題を解決した。 4.本評価法の応用 現在,項目3.までの結果を踏まえ,本評価法の定量的な有効性の検証を精力的に行っている。また,配線角部のみならず配線全体に適用可能な本評価法の拡張について検討を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 笹川和彦(中村直章,坂 真澄,阿部博之): "角部に丸みを有する金属薄膜配線のエレクトロマイグレーション" 日本機械学会 平成8年度材料力学部門講演会 講演論文集(B). 96-10. 481-482 (1996)
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[Publications] K.Sasagawa (Y.Honma, M.Saka and H.Abe): "Analysis of Electromigration in Angled Metal Line" Experimental/Numerical Mechanics in Electronic Pachaging. 1(掲載予定). (1997)
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[Publications] 笹川和彦(本間良和,坂 真澄,阿部博之): "折れ曲がる金属薄膜配線のエレクトロマイグレーション" 日本機械学会第74期通常総会講演会 講演論文集. (掲載予定). (1997)
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[Publications] K.Sasagawa (N.Nakamura, M.Saka and H.Abe): "Effect of Roundness Given to Corner of Angled Metal Line on Electromigration Failure" Proc.Interpack '97. (掲載予定). (1997)
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[Publications] K.Sasagawa (N.Nakamura, M.Saka and H.Abe): "Study of Electromigration Considering Singularity of Temperature Gradient at Corner" Proc.1997 SEM Spring Conference. (掲載予定). (1997)