1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750124
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
高見 昭康 松江工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (70259919)
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Keywords | 形状最適化 / 最適設計 / 計算力学 / 有限要素法 / 力法 / 成長ひずみ法 |
Research Abstract |
本研究では、連続体構造物が外力を受けて変形する場合の平均コンプライアンスが最小になるような、最適形状を解析するシステムの開発研究を行った。今回解析に用いた手法は、最適化問題を連続体のままで定式化し分布系の最適化理論を適用する力法である。その解析システムは、応力解析と形状修正解析の二つの解析を、有限要素法を用いて繰り返すことによって達成できた。 1.まずは、連続体構造物の解析対象として線形弾性体構造物に対して、科学研究費により購入したエンジニアリングワークステーションを用いてFORTRAN言語によるプログラムによって解析を行った。解析例として、平面応力問題の先端に荷重を受ける梁、軸対称問題の自重を受ける柱を取り上げ、この解析法の有効性を確認した。また、フック、圧力管等の実用問題などにも適用できた。 2.つぎに、解析対象として非線形問題である弾塑性体構造物に対して解析を行った。弾塑性問題の解析理論として全ひずみ理論を用いた。解析例として、引張荷重を受ける軸継ぎ手の問題を取り上げ、解析を行った。その結果、初期形状に対して最終形状は、平均コンプライアンスの減少がなされ良好な結果が得られた。また、他の解析手法である成長ひずみ法を用いた弾塑性問題の解析を行った。成長ひずみ法は、力法の近似解法であることが理論的に証明されており、前出の解析例を通しても確認できた。 3.これらの結果の成果をまとめ、関連学会等において発表する予定である。今後は、弾塑性問題のひずみ増分理論による解析システムの開発を行い、適用範囲が広がるようにしたい。また、シェル問題に対する理論的に力法に適用できる形状勾配関数の導出ができなかった。今後別の視点から理論展開ができないか検討し解析システムを構築したい。汎用有限要素解析プログラムに、本解析手法を組み込みより実用的な解析システムの構築も今後勧めていく予定である。
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