1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750141
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣田 健治 名古屋大学, 工学部, 助手 (50273256)
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Keywords | せん断加工 / かえり / くびれ破断 / 切削的機構 |
Research Abstract |
平押し法は,簡便なかえりなしせん断法として再び見直されているが,せん断機構に関しては慣用せん断の領域であるため,材質や板厚によっては適用が難しい場合もある.本研究では,広範な適用性を有する対向ダイスせん断法の加工原理である「負のクリアランスによる切削的平滑面形成機構」を平押し法に利用することで上記問題の解決を試みた. 純アルミニウム半硬質材を用いた円形打抜き実験を行った結果,負のクリアランスを大きくすると分離の機構がせん断による分離からくびれによる分離へと推移し,この時の変形は材料の一部を仮想的な工具とした張出し加工となることが明らかになった.また,これを従来のクリアランス領域とあわせて整理し,平押し法では,かえりなしせん断法の2つの加工原理が,材料を仮想的な工具として簡便に実現されるという新たな解釈を得た. かえり抑制をはかれる適用域を調べた結果,負のクリアランスが大きい場合くびれによる分離となり,適用域下限が高くなって適用範囲は狭くなった.しかし,適用域の幅は負のクリアランスが大きい場合くびれによる分離となり,適用域下限が高くなって適用範囲は狭くなった.しかし,適用域の幅は負のクリアランスが20%以上では一定となり,また,加工後の製品と抜きくずの分離も容易となることから,条件域の安定性については,従来の条件域よりも確実であることが確かめられた. 寸法精度に関して,くびれによる分離では,その機構から分離部分のだれ量は大きくなるが,側面への飛びだし量については,従来の平押し法よりも小さくなることが判明した.さらに,負のクリアランスが大きい場合について,寸法精度および適用域の改善を目指し工具条件を変えて実験を行った.その結果,適用域を拡大する条件は見いだせなかったが,寸法精度については改善条件が存在した.特に突起付ポンチを用いた場合は,大幅な精度改善が可能であり,これは対向ダイスせん断法の簡便法として検討の余地があることを示し,次への課題とした.
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