1996 Fiscal Year Annual Research Report
力制御を用いたNC工作機械の円弧補間送り時のスティックモーション補正
Project/Area Number |
08750144
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井原 之敏 京都大学, 工学研究科, 助手 (90213199)
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Keywords | 運動精度 / スティックモーション / 円弧補間送り / 力制御 |
Research Abstract |
NC工作機械上で輪郭加工する際に現在大きな間超となっている、円弧補間送り時のスティックモーション現象(象限突起)の生成機構について、既存のころがり案内を用いたクローズドループ方式のマシニングセンタ上にて主な原因の影響を調べた。 まず、円弧補間送り時のスティックモーションがどのように変化するかを測定した。半径は5mm,30mm,150mmの3種類とした。送り速度は500〜15000mm/minとした。スティックモーションの測定にはR=150mmではDBB測定装置、R=30,5mmでは交差格子スケールを用いた。サーボモータのトルクのモニタはNC装置に付属するモニタ装置を使用した。送り駆動系の弾性変形量は機械をセミクローズドループ運転し、円弧補間送り時のロストモーション量から推定した。この機械については、各条件での誤差の大きさと送り駆動系の弾性変形による遅れと制御系であるサーボモータのトルク反転に要する時間遅れというスティックモーションの2つの原因のが比率が定量的に求まった。 次に同じ立型マシニングセンタのテーブル上にサーボモータ、ボールねじ、ナット、ブラケットからなる外力付加装置を設置し、サーボモータをトルク制御することで、テーブルに加わる力の制御を行った。この装置を作動させて、XY2軸を使用した円弧補間送りの内、X軸の方向反転時のスティックモーションについて送り速度・半径を変えながら補正を行った。テーブルに加える力はX軸の方向反転時付近で作用させなければならないため、NC装置からの位置指令を外部に出力できるよう改造を行った。テーブルに加える力の大きさ、タイミング、長さなどを変化させ、最適のものを各条件について求めた。その結果、現在用いられているNC補正並の性能が得られることがわかった。
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