1996 Fiscal Year Annual Research Report
研削砥石の作業面状態のインプロセス計測法とその知的評価法に関する研究
Project/Area Number |
08750154
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
坂本 治久 上智大学, 理工学部, 助手 (40276514)
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Keywords | 研削砥石 / 作業面状態 / インプロセス / 摩耗状態 / レーザ変位計 / 相対度数分布 / 再現性 / 相互相関関数 |
Research Abstract |
本研究では,研削砥石の作業面状態のインプロセス評価法の確立を目的として,作業面トポグラフィ測定システムの開発とそれを用いた作業面状態の評価法に関する検討を行った. 本研究で用いた実験装置では,CNC横軸平面研削盤の砥石頭に高速レーザ変位計を直接取付けている.主軸の回転に同期して作業面プロファイルを測定することに加えて,回転数の変動などによる影響を相互相関関数を用いた補正により取り除くことにより,同一円周上の作業面プロファイルを繰返し精度良く測定できるようになった.平均砥粒径の1/6以下の非常に高密度なサンプリングを行うことにより,研削にともなう同一砥粒の変化挙動を追跡することも可能となった. この実験装置を用いて,軟らかい純アルミニウム(A1050)および軟鋼(S15C)をWA60J7Vの砥石を用いて研削し,目づまりにともなう作業面トポグラフィの変化挙動を測定した.軟鋼の研削においては,従来より言われているチップポケット堆積型の目づまりに加え,切れ刃に切りくずが溶着する目づまり形態があることを明らかにできた.さらに研削抵抗および加工面あらさに対しては,溶着した切りくずが大きく影響を与えることを明らかにできた. 研削砥石は組織や構造にランダムさがあるため,その作業面状態は統計的に評価する必要がある.そこで,測定した作業面トポグラフィの振幅の相対度数分布を求め,研削にともなう分布パターンの変化挙動を評価した.その結果,研削砥石の目づまりにともない相対度数分布に特徴的な変化パターンが現れることが判明した.このパターン変化を検出することにより,研削砥石の目づまりによる寿命を判定できる可能性を示すことができた.
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