1996 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロボルテックス空間における局所NOの生成機構
Project/Area Number |
08750218
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
城戸 章宏 北海道大学, 工学部, 助手 (10224990)
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Keywords | レーザー誘起蛍光法 / 一酸化窒素 / 温度画像計測 / 分光計測 / 紫外蛍光 / 乱流エネルギ / 渦スケール / 噴流火炎 |
Research Abstract |
1.マイクロボルテックスが燃焼性能に対して及ぼす影響の解明:定容燃焼器による実験の結果,均一予混合気の燃焼については,マイクロボルテックスの乱流エネルギ(k)の増加ならびに乱れスケール(ε)の減少に伴って火炎の伝播速度が増加した.一方,間欠燃料噴流の場合においても同様の傾向が見られたが、むしろεが大きいほど燃焼が活発になる傾向を示した。すなわち燃料噴流が雰囲気空気を巻き込みながら可燃混合気を形成するタイプの燃焼においては,噴流によって形成される大規模巻き込み渦が混合を律速し,燃焼性能に影響を及ぼすと言える.なお,燃料噴射率の変動などが大規模巻き込み渦形成の一因であることが明らかとなった. NO生成領域における燃焼反応温度と生成量との因果関係:レーザー誘起蛍光法をベースとしたNOの温度計測手法を構築するため,まずNOの蛍光特性を高感度検出器付き分光器(申請物件)によって計測した.その結果,NOの吸光係数は226nmで0.7m^2/molであり,532nmで160m^2/molを示すヨウ素と比較して著しく低いことが明らかとなった.一方,NOの量子収率計測に際して,NOは空気中の酸素によってその一部がNO_2およびN_2O_4となり厳密計測が困難であった.しかしながらヨウ素による実験の結果,特にヨウ素混合雰囲気がアルゴンガスの場合,これを532nmで励起した際の蛍光スペクトルに著しい温度依存特性が認められ,例えば580nmおよび625nmの蛍光を画像計測し,その強度を比較することによって画像温度計則が可能であることを見いだした.今後NOについての厳密計測を予定しているが,ヨウ素の場合と同様の結果が得られるものと期待される. 3.マイクロボルテックスの空間分布がNO生成構造に対して及ぼす影響,および4.これら因果関係の定式化に関しては現在実験準備中であり,これによってNOの生成構造に対する知見が得られるものと期待される.
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