1996 Fiscal Year Annual Research Report
超音波浮揚を利用した自己浮上型フライングアクチュエータの研究
Project/Area Number |
08750259
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
青柳 学 山形大学, 工学部, 助手 (80231786)
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Keywords | フライングアクチュエータ / 超音波浮揚 / 自己浮上 / 軽量振動子 / 高電気音響変換振動子 |
Research Abstract |
本年度では、超音波浮揚を利用した自己浮上型フライングアクチュエータの研究のうち、軽量かつ大出力の振動子の開発を試みた。振動子の発生する音響放射圧によって振動子自身が浮上するためには、軽量かつ高出力である必要がある。そこで、振動子に通常使用されている恒弾性金属では重く、使用に適さないため、比重の軽い材料で振動子を試作した結果を以下に示す。 CFRP、C/Cコンポジット材、PVDF、圧電セラミックス薄板で、薄型の屈曲振動子の製作を試みた。音響放射圧の解析によって、振動子自身の浮上に必要な振動振幅等の駆動条件が分かった。その結果を基に振動子を作成した。CFRP、C/Cコンポジット材では、圧電セラミックス薄板を接着剤で各材料に貼付けて製作し、また、PVDFと圧電セラミックス薄板では電極構造を使用する振動モードに合わせて最適化を行い、電気機械結合係数をできるだけ大きくした。そして、その音響放射圧や振動振幅を購入したプローブで測定した結果、必要な音響放射圧が得られておらず、振動子の浮上は確認されなかった。この原因として、解析で振動子の損失を無視していた事があげられる。実際は圧電セラミック薄板と各材料間に接着剤層があり、これによって振動損失、発熱が大きくなり、電気音響変換効率が上がらなかった。そこで、接着剤層がない、PVDFや圧電セラミックス薄板単体でも試みたが、PVDFの損失が大きい事や圧電セラミックスの強度の理由から振幅をあげる事ができず、不可能であった。結果として、構造・材料に問題ある事が分かったため、更に低損失、高音響変換効率かつ軽量の振動子が必要である事が分かった。考えられる構造としては、チタン極薄板にPZT薄膜層を水熱法等で形成させ、接着剤層などのない、損失の小さい構成があり、今後試作・検討する必要がある。また、給電用のワイヤーの重量が問題となる為、ワイヤレスの給電方法を検討する必要があることが分かった。
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