1996 Fiscal Year Annual Research Report
生理学知見に基づいた両眼視覚装置の視線調節運動の制御に関する研究
Project/Area Number |
08750302
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
張 暁林 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60280971)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 秀俊 東京医科歯科大学, 医学部, 教授
|
Keywords | 眼球運動モデル / 視軸制御 / 前庭動眼反射 / 視機性反射眼球運動 / 滑動性眼球運動 |
Research Abstract |
平成8年度では眼球の生理学的及び解剖学的の知見を制御工学の理論と手法で解析し、眼球運動全体を統合的に表現できる眼球運動モデルを提案した.さらに、本研究は提案した眼球運動モデルの動特性や周波数特性などについて実際の生理学実験の結果と比較検討し,本モデルの有効性を確認した.また,本モデルを用いた動特性および周波数特性の分析から眼球運動は一つの制御システムにより制御されていると考えて妥当.すなわち,すべてこの一つの制御システムの特定条件下の制御特性として現れたものである.前庭を破壊したり,暗闇の中で観測するような一部の制御入力信号を強制的に遮断する場合を除外すれば,前庭動眼反射,視機性反射,滑動性眼球運動は常にしかも同時に存在することを推測できる.したがってこれらの眼球運動パターンの違いは,視標の動きと環境に依存する入力の違いにより生じた現象と考えられる.現在「前庭動眼反射,視機性反射,滑動性眼球運動を統合した眼球運動モデル」を題として電気学会に投稿中である. しかし,長期的にはシナプスの結合度の変化による電気伝導度の違いにより適性な動作をするように特性を変える能力を実際には備えている.このため,本研究は眼球運動の環境や生体の変化に適応していく学習機能につして解析し,眼球運動の適応制御及び前庭小脳の学習機序を解明するためのモデルを構築した.これらの研究成果は「反射性眼球運動の適応メカニズム」,「前庭動眼反射の学習モデル」を題して,計測自動制御学会の第10回生体生理工学シンポジウム,第十回日本エム・イ-学会秋季大会で発表した.現在,人間の両眼の運動機能実現可能の両眼視軸制御装置を制作中である.
|
-
[Publications] 若松秀俊・張 暁林: "反射性眼球運動の適応メカニム" 第10回生体・生理工学シンポジウム論文集. 405-408 (1995)
-
[Publications] 若松秀俊・張 暁林: "前庭動眼反射運動の学習モデル" 第10回日本ME学会秋季大会論文集. 34・S1.2. 38-38 (1996)
-
[Publications] 若松秀俊・張 暁林: "個人識別可能な在宅モニタリング用尿検査システム" 日本健康学会第12回大会論文集. 12・4. 232-233 (1996)
-
[Publications] 張 暁林・若松秀俊: "ニューラルネットワークによる前庭動眼反射の学習とその機能" 第36回日本エム・イ-学会論文集. (発表予定). (1997)