1996 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜磁性体を用いた高感度共振形マイクロ磁気センサの開発研究
Project/Area Number |
08750399
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 剛 名古屋大学, 工学部, 講師 (00203555)
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Keywords | マイクロ磁気素子 / 共振形センサ / 表皮効果 / スパッタ薄膜 / 磁場中アニール / 回転磁化モデル / パルス電流励磁 / CMOSマルチバイブレータ |
Research Abstract |
CoFeBのアモルファス膜をスパッタ装置(現有)を用いて作製し,膜のBH特性を測定することにより磁気特性を評価した.また,厚さ1-4μmの膜にエッチングにより微細加工を施し,線幅が10μm,長さ100μmの折り返しパターンを有するマイクロサイズの素子を作製した.作製したマイクロ磁気素子のインピーダンスの磁界に対する変化を測定し,磁界感度として,8%/Oeが得られた.また,素子の周波数特性についても測定を行い(DC-100MHz),素子のインピーダンスと表皮効果の関係を解析した.作製した膜を電気炉(現有)を用い磁場中でアニールし,一軸異方性を付加した素子についても同様の実験を行い磁区構造とマイクロ素子の関係を明らかにした.また,FeNi/Cu/FeNiのサンドイッチ膜についてもインピーダンスの磁界に対する変化を測定し,磁界感度として2%/Oeが得られた.またインピーダンスの磁界に対する変化特性を回転磁化モデルにより解析した. 次にMI素子と半導体回路の組み合せによるデバイス化を目的として,薄膜磁性体の内部インダクタンスL_iとCからなるコルピッツ形の自己発振回路を共振形磁界センサとして使用した.共振形磁界センサでは,さらに高感度化が可能になり,サンドイッチ膜で25%/Oeの電圧変化率を得た.また,正弦波交流よりもパルス電流励磁の方が信号処理や消費電力の低減などで都合が良い場合が多いことに着目し,CMOSマルチバイブレータ回路によるパルス電流を用いたMI特性を測定した.
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[Publications] 比嘉孝治: "パルス電流励磁によるスパッタ薄膜マイクロMIセンサ" 日本応用磁気学会誌. 21巻・4号. (1997)
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[Publications] Kaneo Mohri: "Nonlinear Electromagnetic Systems" IOS Press, 6 (1996)