1996 Fiscal Year Annual Research Report
光非線形現象を応用した受信量子状態制御システムの特性
Project/Area Number |
08750429
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
臼田 毅 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80273308)
|
Keywords | 量子通信 / 量子情報理論 / 量子状態制御 / 受信量子状態制御 / 非線形光学効果 / 標準量子限界 / 量子数値解析法 |
Research Abstract |
本年度に行った研究業績を要約すると次のようになる. 1.量子数値解析法の開発:受信量子状態制御システムを実現する物理過程として,光非線形現象に基づくユニタリ過程を考え,その量子論的特性を解析するための数値解析法を確立した. まず,入力量子状態を与えたときの出力状態を数値計算する手法を確立した.これは,従来の量子数値解析法であるオイラー法のもつ時間離散による誤差を回避し,かつ解析時間が大幅に短縮される.次に,システムの誤り率を自動的に求める方式を開発した. 2.光非線形現象の出力の条件の導出:提案した光非線形現象を用いたシステムに関し,どのような条件を満たすものが最も望ましいかを考察した.その結果,信号の生起確率が等しい場合,量子最適限界を達成する光非線形現象の出力の必要十分条件を導出し,そのための証明を与えた.また,具体例として確率分布を数例与えた. 3.光非線形現象の量子近似解析:光非線形現象の量子雑音特性を,ハイゼンペルグ方程式の線形化近似により解析した.その結果,ポンピング光位相がある特定の値をとる場合においては,信号光が近似的にディスプレイスメントされることを明らかにした. 4.光非線形現象の量子数値解析:1.で開発した手法に基づき,提案システムの誤り率の数値解析をいくつかのケースについて行った.その結果,標準量子限界は克服されることがわかった.今後,他のケースについても本数値解析を適用し,その特性を詳細に分析する必要がある.
|
-
[Publications] 臼田毅: "On the realization of received quantum state control by unitary transformation" Abstracts of Papers of QCM'96. 99-100 (1996)
-
[Publications] 臼田毅: "量子通信理論における標準決定作用素について" 平成8年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 260- (1996)
-
[Publications] 臼田毅: "On the realization of received quantum state control by unitary transformation" Quantum Communication,Computing and Measurement. (1997)