1996 Fiscal Year Annual Research Report
空間伝送光通信技術を用いた高速伝送室内無線通信システムに関する研究
Project/Area Number |
08750434
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 伸一 大阪大学, 工学部, 助手 (50252614)
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Keywords | 室内無線通信システム / 拡散光反射方式 / マルチビーム方式 / ダイバーシチ方式 / 送受信ダイバーシチ |
Research Abstract |
室内光無線通信システムは,光搬送波の有する広帯域性を利用した高速通信の可能性などの利点から注目されている.中でも,壁や天井面での拡散反射光を利用する拡散反射方式はシステム構成の柔軟性に優れており,高速無線ネットワークの構築には最も適した方式であるといえる.しかしながら,従来の送信機に単一の光源を装備する拡散反射方式では,送信機から離れるに従って受信光電力が急激に落ち込むため,広範囲な領域での高速通信を行うことはできず,広範囲な領域で高速通信を行うためには広範囲な領域での高い受信光電力の確保が重要な課題である. そこで,本研究では,拡散反射方式において広範囲な領域で十分な受信光電力を確保する方式として,送信機に複数の光源を装備するマルチビーム方式を提案し,マルチビーム方式の信号伝搬特性・誤り率特性の評価を行った. 本研究では,まず,マルチビーム拡散反射方式を提案し,その伝搬損失特性ならびに遅延広がり特性について検討した.その結果,マルチビーム方式を用いることにより,広範囲な領域に渡って高い受信光電力を確保できること,および,複数のビームから信号光を送信することにより遅延広がりが増大することを明らかにした.次いで,伝送速度と誤り率特性の関係を評価し,比較的低速な伝送速度の場合はマルチビーム方式を用いることにより特性が大きく改善されるが,高速伝送の場合は遅延広がりの影響により特性が大きく劣化することを明らかにした.そこで次に,遅延広がりの影響を抑圧する方法として,複数の方向を指向した検波面を有する受信機を用いた方位角ダイバーシチ方式を提案し,それにより高速伝送時においても,マルチビーム方式を用いることにより特性が大きく改善され,マルチビーム方式を用いた室内光無線通信システムによる高速無線ネットワークの有効性を確認した.
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[Publications] Kaoru NISHIDA: "A Proposal of Multi Beam Transmitter for Non-derected Diffese Indoor Optical Wireless Communication System" Proceedings of IEEE PIMRC'96. 242-246 (1996)
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[Publications] 森岡 宗平: "送受信ダイバーシチを用いた無指向拡散反射室内光無線通信システムに関する研究" 映像情報メディア学会技術報告 無線・光伝送. 21・12. 41-46 (1997)
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[Publications] 宮長 健二: "空間分割多元接続方式を用いた無指向直射光通信システムに関する-検討" 映像情報メディア学会技術報告 無線・光伝送. 21・12. 47-52 (1997)
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[Publications] 西田 薫: "ダイバーシチ受信機を用いたマルチビーム拡散反射光無線通信システムの提案" 電子情報通信学会技術研究報告. 96・523. 71-78 (1997)