1996 Fiscal Year Annual Research Report
動画像からの周期変動速度ベクトル場計測法の確立と塩水振動子に伴う流れ場への適用
Project/Area Number |
08750554
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
野村 厚志 山口県立大学, 国際文化学部, 講師 (40264973)
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Keywords | 動画像処理 / 勾配法 / 周期変動速度ベクトル場 / 流体場計測 / 流れの可視化 / 塩水振動子 |
Research Abstract |
本研究では、動画像から2次元速度ベクトル場を計測する手法を開発した。 可視化された2次元の流体場を、静止したテレビカメラを通じて計算機内に動画像として取り込むと、その動画像中の濃淡パターンの動き情報(速度ベクトル場)は、その可視化された流れ場の2次元速度ベクトル場に関する情報を与える。流体力学の分野においては、流体の速度を高精度・非接触で、なおかつ2次元あるいは3次元場として計測可能な手法が求められている。従来、動画像からの2次速度ベクトル場計測法には、相関法と勾配法の2通りが提案されている。 本研究では、勾配法に基づき、流体場の中でも頻繁に観測される周期変動速度ベクトル場の計測を目的とした手法を開発した。すなわち、勾配法とは動画像中の濃淡の時間・空間微分と速度ベクトルとを関係付ける式(濃淡に関する保存の式)を基本として、これに速度ベクトル場の性質に応じた不加条件式を組み合わせることで、速度ベクトル場を求める方法である。本研究では、周期変動する速度ベクトル場を解析対象としているので、その周期変動速度ベクトル場の性質を付加条件式として取り込み、計測法を実現した。 実現した速度ベクトル場計測法を、人工的に生成されたシミュレーション動画像に適用し、その手法の有効性を確認した。さらに、塩水振動子と呼ばれる周期変動する流れ場を可視化して得られた動画像にその手法を適用し、従来調べられていなかった塩水振動子に伴う流れ場の時間変化を計測した。 今後の課題としては、本計測法をカルマン渦流のような他の周期変動速度ベクトル場に適用し、その有効性をさらに確認することや、本計測法を拡張し3次元の周期変動速度ベクトル場計測法を開発することなどが挙げられる。
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