1996 Fiscal Year Annual Research Report
水和の進行及び乾燥状態を考慮した若材令コンクリートのクリープモデル
Project/Area Number |
08750568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 利治 東京大学, 工学系研究科, 講師 (90251339)
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Keywords | コンクリート / クリープ / リラクセーション / 若材令 / 自己充填コンクリート |
Research Abstract |
本研究の目的は,水和の進行,細孔組織構造の形成,および水分逸散挙動を連成させた枠組みの中で,若材令コンクリートのクリープモデルを提案することであるが,具体的なモデルの提案には至らなかった。本研究の範囲内で得られた成果は,以下の通りである。 (1)複合水和発熱モデルの精度の検証と改良及び拡張 若材令コンクリートの時間依存変形挙動を適切にモデル化するためには,さまざまなセメント系材料に対して時間軸に沿ってその性状を適切に予測する必要がある。そこで,セメント・高炉スラグ・フライアッシュの3成分系混合セメントの複合水和発熱モデルの検証・改良を行った。また,自己充填コンクリートの温度上昇抑制に有効な石灰石微粉末のモデルへの組込みを念頭に,石灰石微粉末がもたらす鉱物微粉末効果について,コンダクションカロリメータを用いた定量的な検討を行い,水和発熱モデルの拡張へ向けた知見の蓄積を行った。 (2)応力緩和挙動に及ぼす粉体材料と乾燥の影響に関する実験的検討 セメント系粉体材料種類および乾燥状態を変化させて,はり供試体を用いた応力緩和(リラクセーション)に関する実験を行い,一定変位を与えた際のリラクセーションを測定した。混和材には,高炉スラグ微粉末及びCSA(カルシウムサルホアルミネート)系膨張材を用い,実験の結果以下のような知見を得た。 1)乾燥を受けない供試体は,載荷時材齢の異なる各載荷でほぼ同じ応力緩和性状を示すのに対し,乾燥を受ける供試体は載荷時材齢が大きくなるにつれて応力緩和が小さくなる。 2)高炉スラグを混入した供試体は,セメント単味の場合に比べて応力緩和が小さい。 3)膨張材を混入し,膨張拘束をしない供試体は,セメント単味の場合とほぼ同じ応力緩和を示すのに対し,膨張拘束をした供試体は,セメント単味の場合よりも応力緩和が大きくなる。
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Research Products
(1 results)