1996 Fiscal Year Annual Research Report
地震動の非定常性を考慮したフーリエスペクトルに基づく応答スペクトルの算定
Project/Area Number |
08750589
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
盛川 仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (60273463)
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Keywords | 絶対加速度応答スペクトル / フーリエスペクトル / 位相特性 / 群遅延時間 / 振幅変調型正規確率過程 / 極値分布 / 最大値 |
Research Abstract |
本研究の成果は,フーリエ振幅スペクトルを基にして,位相情報を加味することにより絶対加速度応答スペクトルを推定する手法を開発したことである。これまで,地震学の分野では,地震動の特性についてはフーリエ振幅スペクトルを用いて議論されることが多かったため,本研究において提案された手法を用いることにより,地震学の最先端の研究成果を設計のの分野で重要な応答スペクトルに直ちに反映させることが可能となる。以下にその成果を列挙する。 1.応答スペクトルの推定に重安な役割を果たす位相情報として,群遅延時間スペクトルを平均及び分散を振動数の関数として導入した。これは,地震波のフーリエ位相スペクトルの微係数として定義されるが,その特性はもとの時系列波形の調和成分毎の非定常性を示すものである。 2.上の群遅延時間スペクトルを用いて,地震波の包絡線関数を推定した。 3.得られた包絡線関数を用いて,もとの時系列波形が振幅変調型の正規確率過程であるという仮定のもとで,一質点系の最大応答を極値分布理論に基づき確率論的に推定した。 4.種々の振動数を有する調和成分について上記の最大応答を推定することにより,応答スペクトルの推定結果を得た。また,本手法では,確率論的に推定をおこなっているため,推定結果の標準偏差を与えることができ,推定結果の信頼性を定量的に示すことができる。 5.実務の観測記録に対して,本手法を適用し,フーリエ振幅スペクトルと平均及び分散群遅延時間スペクトルを用いて絶対加速度応答スペクトルを推定し,振幅が著しく大きい場合や,震源が非常に近い場合を除くと非常に精度良く推定可能であることを確かめた。
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[Publications] 盛川 仁: "群遅延時間を用いた地震動の応答スペクトルの算定法について" 第15回日本自然学会学術講演会講演概要集. 61-62 (1996)
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[Publications] 土岐憲三: "群遅延時間による地震動の非定常性を考慮した応答スペクトルの算定法" 土木学会関西支部講演概要集. I-6-1-I-6-2 (1996)
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[Publications] H.Morikawa: "Stochastic Interpolation of Power Spectra Using Observed Earthquake Ground Motions" Proc.11th World Conference of Earthquake Engineering. 3. No.1244 (1996)
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[Publications] H.Morikawa: "Conditional Simulation of Earthquake Ground Motions under Spectral Uncertainties" Proc.3rd Asian-Pacific Conference on Computational Mechanics. 983-988 (1996)