1996 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度土砂流における粒子間干渉の数値モデルに関する基礎的研究
Project/Area Number |
08750627
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 仁志 京都大学, 工学研究科, 講師 (40243068)
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Keywords | 高濃度土砂流 / 土石流 / シートフロー漂砂 / 粒子間干渉 / 粒状体モデル / 個別要素法 / 分級機構 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高濃度土砂流の流動特性を砂粒子レヴェルの視点からとらえたシミュレーションモデルの開発である.土石流・火砕流などに代表される高濃度の土砂流は,発生頻度こそそれほど高くないものの,一端発生するとその破壊力はすさまじい.高濃度土砂流の特性は,砂粒子が近接して集団で流動することであり,その力学機構は砂粒子間の干渉すなわち粒子間衝突により支配されている. 本研究ではこの点に鑑み,砂粒子レヴェルからの粒子間干渉のメカニズムを粒状体シミュレーションにより検討した.言い換えると,他の砂粒子との干渉を含む個々の砂粒子の運動過程を直接的にラグランジュ的に追跡することにより,従来のモデルで用いられることの多かった連続体近似に依らない離散的なモデルで土砂流の流動過程を記述した. 粒子間干渉が支配的な土砂輸送は,山地河川における土石流だけではなく,海浜変形に寄与が大きい時化の際の土砂移動形態であるシートフロー漂砂においても顕著である.本研究では,具体的なモデルの適用対象として,シートフロー漂砂における鉛直分級を扱った.土石流では先端部の表層に巨礫が集中する『逆グレイデイング』現象が見られるが,シートフローでもこれと類似の鉛直分級が生じる可能性が,本研究のモデルによるシミュレーションを通じて示された.さらに,時化のために生じる砂地に生息する二枚貝の減耗の力学的背景に関しても同様の機構が関与している可能性を指摘し,シートフロー化した砂層中の二枚貝が砂層表層に浮上する過程を数値シミュレーシヨンにより再現し,物理的計測の困難な二枚貝への作用力の変化過程に関するシミュレーションデータを収集して,メカニズムの考察を行った.
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[Publications] 後藤仁志: "振動流下の混合漂砂の鉛直分級" 海岸工学論文集. 43巻. 456-460 (1996)
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[Publications] 後藤仁志: "Mechanics of sediment transport for estimating habitable condition of bivalves in baech" Proc.Ecohydraulics 2000. Vol.A. 343-354 (1996)