1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750657
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 燕 立命館大学, 理工学部, 助手 (30281504)
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Keywords | 街路網 / 防災性 / 街路網構成 / 阪神淡路大震災 / 閉塞確率 / 到達可能率 / 街路幅員 / 木造家屋延長率 |
Research Abstract |
災害時に強い街路網整備の考え方として、大地震で一部分の街路が不通になっても、緊急車両がスムーズにアクセスできないようなエリアが発生しない程度の整備水準が一つの目安となると考えられる。このような視点から、本研究は、激震を受けた神戸市灘区の一部の市街地を対象とし、こうした自動車の到達不能エリアを示した上で、激震を受けた後のノードの到達可否状況に関する指標について統計的分析を行った。その分析によって、ノードの到達可否は結合リンクの数、長さ等には関係なく、結合リンクの幅員構成およびリンクの木造家屋延長率に関係していることが分かった。具体的に、結合リンクの幅員総和が32m、あるいはその中の1本の幅員が12m以上の場合、あるいはすべてのリンクが幅員8m以上の街路で構成される場合、または木造家屋延長率が40%以下の場合、到達不可になる可能性が低いことが明らかとなった。さらに、2ランクのリンクをもつ仮想街路網でのシミュレーションによって、防災性のより高いランクの街路を300m間隔で整備するケースが街路網の構成上最も効率的であることが分かった。さらに、シミュレーションの結果および現状の街路網のデータを用いて、対象街路網について、震災時に閉塞しにくい街路網のための整備方向を次のように示した。すなわち、ランク2の街路の幅員を8m以上12m未満、ランク1の幅員を8m以下の場合には、ランク1の街路の木造家屋延長率を40%に抑える必要がある。木造家屋延長率が40%以上も含める場合は、ランク2の街路の幅員を10-12m、ランク1の街路の幅員を8-10mにしなければならないであろう。
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