1996 Fiscal Year Annual Research Report
廃プラスチック類からの有害有機物の溶出特性に関する検討
Project/Area Number |
08750664
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 俊哉 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (10234874)
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Keywords | 廃プラスチック類 / ポリ塩化ビニル / 溶出試験 / フタル酸エステル類 / 有機リン酸トリエステル類 |
Research Abstract |
プラスチック製品の中で,フタル酸エステル類,有機リン酸トリエステル類の含有量が高いポリ塩化ビニル(PVC)製品を用いてバッチ溶出試験を行い,それらの化合物の溶出に影響を及ぼす因子について検討した。用いたPVC製品はPVC製チューブ,電線被覆,バスカ-テンなどである。溶出試験における溶出時間,固液比は予備実験を行った結果,24時間及び1:10(有機リン酸エステル類については1:100)とした。また温度条件は10℃,25℃,40℃,pH条件は4,7,10とした。さらに,繰り返し溶出実験も行った。 その結果,一部の試料から高毒性のフタル酸2-ジエチルヘキシル(DEHP)及びリン酸トリフェニル(TPP)が比較的高濃度(0.1〜2.0mg/l)で溶出した。これらの物質は含有量が高く(DEHP:30〜45%,TPP:2〜7%),繰り返し試験では同レベルでの溶出が継続したことから,溶出が継続的に進行することが示唆された。 両物質とも同一条件での溶出濃度にかなりのばらつきが見られたため,pH,温度の影響は明確にはならなかったが,DEHPの溶出濃度はpH4で低く,また40℃で高いこと,一方,TPPの溶出濃度は40℃で高いことなどの傾向が認められた。さらに,DEHPの溶出濃度は撹拌強度の影響を強く受けることが明らかになった。
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