1996 Fiscal Year Annual Research Report
セメント系粘塑性材料の流動シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
08750686
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒川 善幸 名古屋大学, 工学部, 助手 (50242839)
|
Keywords | レオロジー / ビンガム定数 / 降伏値 / 塑性粘度 / 粘塑性空間要素法 / モデル壁型枠 / 配筋条件 / 流動勾配 |
Research Abstract |
本研究では、粘塑性空間要素法を改良し、モデル壁型枠打設実験を行うと共に打設シミュレーションを行った。 (1)非定常粘塑性空間要素法プログラムの改良 壁打設シミュレーションに適した解析手法である粘塑性空間要素法を改良した。現行のプログラムに対し、境界面におけるすべりを考慮できるように改良した。また、流動時のひずみ速度分布を出力し流動状態き検討が行えるように改良した。 (2)小型壁型枠打設実験 試料性質と流動状況の関係を調べるため、小型壁型枠打設実験および中型壁型枠打設実験を行った。小型壁型枠は、W400×H300×D80およびD40で、壁心にモデル鉄筋をシングル配筋したものも用意した。試料には、水セメント比と高性能AE減水剤添加量により、降伏値と塑性粘度の2つのビンガム定数が調整された、モルタルおよび粗骨材最大径が10mmのフレッシュコンクリートを用いた。実験から、流動停止後の試料上面の勾配は、降伏値に大きく影響され、塑性粘度はあまり影響しないことがわかった。また、ある程度の密なシングル配筋は、壁厚を半分にしたのとほぼ同じ効果があることがわかった。 (3)中型壁型枠打設実験 小型壁型枠の結果から、より実施工条件に近い結果を得るため、高流動コンクリートを用いて中型壁型枠打設実験を行った。実挙動は複雑であるが、基本的には小型壁型枠の場合と同様の結論を得た。 (4)壁打設シミュレーション 改良された粘塑性空間要素法を用いて、上記実験の数値シミュレーションを行った。その結果、みかけのビンガム定数を入力値とするシミュレーションにより、配筋壁打設状況を定量化できる可能性が明らかとなった。
|
-
[Publications] 黒川善幸: "フレッシュコンクリートの直管内流動に関する理論的考察" 日本建築学会構造系論文集. No.491. 9-14 (1997)
-
[Publications] 井上和政: "モルタルおよびコンクリートによる小型壁型枠内打設に関する実験的研究(その1,2)" 日本建築学会東海支部研究報告集. No.35. 93-100 (1997)
-
[Publications] 牧野敏明: "高流動コンクリートの中型壁型枠内打設に関する実験的研究" 日本建築学会東海支部研究報告集. No.35. 101-104 (1997)
-
[Publications] 山中守人: "小型壁型枠および中型壁型枠内への高流動コンクリート打設に関する粘塑性空間要素法解析" 日本建築学会東海支部研究報告集. No.35. 105-108 (1997)
-
[Publications] 北大路洋: "粘塑性空間要素法による地下連続壁およびモデル型枠へのコンクリート打設の可視化に関する解析的研究" 日本建築学会東海支部研究報告集. No.35. 109-112 (1997)
-
[Publications] 王迎華: "ろ過理論によるフレッシュコンクリートのマトリックスモルタルの流出過程に関する基礎的研究" 日本建築学会東海支部研究報告集. No.35. 113-116 (1997)