1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750711
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
藏澄 美仁 京都府立大学, 生活科学部, 講師 (70244291)
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Keywords | 姿勢 / 体表区分 / 接触面積 / 平均皮膚温算出法 / 有効放射面積 / 形態係数 / 環境評価 / 修正有効温度 |
Research Abstract |
本研究は室内空間における姿勢の違いが体感温度に及ぼす影響を明確にするために行われた。床からの熱伝導による熱量の把握のために床と人体との間の接触面積が計測された。正確に接触形状を把握する必要と体表区分毎の接触面積を求める必要より実測は透明フィルム透写法が用いられた。この方法は透明アクリル版上で一定の姿勢を維持した被験者の接触部分を透明フィルムに写し取るものである。なお接触部がより鮮明となるように、被験者の接触部近傍にはインクを塗布された。透写された接触部はデジダイザーにて計測することで各部の面積が求められた。姿勢は立位と椅座位、正座位、胡座位、立て膝位、投げ足位、側臥位の7種類が用いられた。各姿勢の接触面積比はそれぞれ0.0147,0.0104,0.0186,0.0261,0.0347,0.0469,0.0578であった。正座位は立て膝位や胡座位、側臥位と比較して接触面積が小さく、立位や椅座位と同程度の接触面積比であることが明らかとなった。クラスター分析の結果も正座位は立位や椅座位と同一グループに位置付けられた。体表区分毎の接触面積比より、各姿勢毎の平均皮膚温度算出用の重み係数が求められた。熱放射による熱量の把握のために人体の有効放射面積と人体と矩形面との間の形態係数が実測された。実測は正射影魚眼レンズ法が用いられた。姿勢は側臥位が用いられた。側臥位人体の有効放射面積率は裸体人体で0.79、着衣人体で0.88が得られた。側臥位人体と矩形面との間の形態係数が図表化された。正座位人体と床面との間の形態係数値は立位や椅座位、正座位と比較して著しく大きな値となることが明らかにされた。実生活空間の温熱環境が実測された。姿勢毎に体感温度が推算された。体感温度指標には修正有効温度ETVが用いられた。姿勢を替えることによる体感温度の違いが定量的に示された。
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