1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750732
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
檜谷 美恵子 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (60238318)
|
Keywords | 居住環境指標 / 女性視点 / 居住ニーズ / 居住地計画 / コレクティブハウス / 育児 |
Research Abstract |
本年度は主として、(1)スウェーデンにおけるコレクティブ・ハウジングのコンセプト、発展の経緯を探るとともに、(2)育児期の就労女性の居住ニーズを把握するための実態調査を実施した。以下、それぞれについて概要を示す。 (1)スウェーデンのコレクティブハウスは働く女性たちによって支持され、発展をみた。コレクティブハウスは当初、家事や育児の合理化をはかる住まいとして計画されたが、1980年代に入る頃には、「共生」「参加」「協働」をキ-・コンセプトとする居住形態として理解されるようになった。多様なコレクティブハウスがあり、母子世帯や単身者の居住ニーズ、また、住まいづくりに参与したい、環境共生を推進したいという人々のニーズにこたえている。事業を推進する主体は往々にして女性たちであり、また、従来の性別役割分業を否定する男性である。コレクティブハウスの特徴は、居住者同士の水平的な関係性に基礎付けられていること、日々の生活の協働化を積極的にすすめる点にある。いまだ実験段階にあるものの、個々人を生活者として捉える視点、共用空間や生活の協働化によるコミニュティーの強化、集住のメリットを生かした環境共生の推進等は女性視点とオーバーラップし、今後の都市や住まいのあり方を考えるうえで示唆に富む居住形態である。 (2)居住地の生活関連サービスの不足等、日々の生活上の問題を最も意識化しやすい状況にあると考えられる育児期の就労女性を対象に、大都市都心部と郊外部に立地するニュータウンでアンケート調査並びに個別面談聞き取り調査を実施した。その結果、保育所の立地、公共交通機関の利用の便など、現在の居住環境にたいする問題が多数抽出されるとともに、居住によって、生活関連サービスをはじめとする居住ニーズに有意差があること、現状では、親族資源の多寡が支援形態の選択に影響することがわかった。
|
Research Products
(1 results)