1996 Fiscal Year Annual Research Report
キンキングによるビスマス系酸化物超伝導体への転位の導入と臨界電流特性の改善
Project/Area Number |
08750833
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
末松 久幸 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (30222045)
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Keywords | 超伝導 / 磁束ピニング / Bi-2223 / 銀シース / 線材 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
種々の臨界電流密度を持つ(Bi,Pb)_2Srk_2Ca_2Cu_3O_x/Agシース超伝導線材の微構造の観察を、様々な手法を用いて行い、臨界電流密度と欠陥の関係を明らかにした。まず、電子線マイクロプローブ分析機により、第二相の分布を観察した。(Bi,Pb)_2Sr_2Ca_2Cu_3O_x超伝導物質がAgシース材の間にサンドイッチされて厚さ10〜30ミクロンのリボン状をなしていた。この断面を観察すると、直径1〜5ミクロンのPb,Ca,Cuの濃度の高い相が観察された。これらの第二相の超伝導物質に対する体積分率を求めたところ、臨界電流密度の高い線材では第二相の体積分率が低いことがわかった。これらの試料をイオンミリング法と収束イオンビーム加工法で薄片化して透過型電子顕微鏡で観察した。エネルギー分散型X線分析装置によりSrやCaの濃度の高い相が観察され、これらの電子線回折図形は超伝導を示す(Bi,Pb)_2Sr_2Ca_2Cu_3O_xのそれとは異なっていた。すなわち第二相は常伝導相であった。常伝導相が少なくなるに従って臨界電流密度が上昇したことから、第二相は臨界電流密度を改善する磁束ピン止め中心として働かず、超伝導電流を阻止している役割があることがわかった。
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[Publications] H.Suematsu: "Microstructure and Crittical Current Density in (Bi,Pb)_2Sr_2Ca_2Cu_3O_x/Ag Sheathed Wire" Report of the Research Laboratory of Engineering Materials. 21. 121-125 (1996)
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[Publications] H.Suematsu: "Microstructure of Ag Sheathed (Bi,Pb)_2Sr_2Ca_2Cu_3O_xTaPe" Journal of Materials Science and Engineerings B. 41. 111-116 (1996)