1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750838
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 元 広島大学, 工学部, 助教授 (30192595)
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Keywords | 陽極接合 / シリコン / ほうけい酸ガラス / 低温接合 / ナトリウム / PZT / 界面 / 透過電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では真空陽極接合装置の作製を行い、大気中および真空中でのシリコンとシリコン、PZTセラミックスの陽極接合を行い、接合機構の解明を行った。以下に得られた結果の概要を示す。 (1)厚さ150μmおよび500μm、材質_<7740および>7070のパイレックスガラスを用い、p型シリコンウエハ-との陽極接合を行った。その際、大気中あるいは真空中で印加電圧、温度を変化させることにより、接合の可否を判断した。その結果、ガラスの厚さの減少とともに印加電圧、温度を低くしても接合が可能となり、接合面積も大きくなることが分かった。また、_<7740の方が>7070より低温で接合できることが分かった。また、真空中接合はその接合面積の増加、接合のばらつきの低下に効果が見られた。 (2)2μm厚の#7740ガラスをシリコンおよびPZTセラミックスにスパッタ蒸着させ、大気中でシリコンとの接合を行った。その結果、シリコン同士では良好な接合体を作ることはできなかったが、PZTセラミックスとシリコンでは350V,500℃以上の接合条件で良好な接合体を得ることができた。一方、PZTセラミックスにAl電極を蒸着することにより、接合温度を450℃に低下させることができた。 (3)PZTセラミックスとシリコンの陽極接合体の界面をTEM観察およびEDS分析することにより、ガラス中のNa成分がPZTセラミックス界面に移動し、PZTセラミックスと反応し、結晶質の複酸化物を形成することが分かった。また、シリコン界面では、過剰酸素イオンがシリコンと反応することにより接合が行われた事を確認した。更に、接合体は引張によりシリコンおよびガラス中で破壊を起す事を示し、接合体の界面強度が強い事を明らかにした。 (4)シリコンとガラスの接合において印加電圧を逆にしてNaイオンによる接合の可能性を調べた。これより、350V,500℃以上の条件で接合が可能であることが分かった。また、シリコンの間にガラスを挟みこんだ接合を行い、シリコン同士の接合に成功した。 (5)超高真空中で表面活性化法によるアルミナとアルミの常温接合を行い、本手法と陽極接合を組み合わせることにより、より低温で信頼性の高い陽極接合が可能であることを明らかにした。 以上の結果より、陽極接合のメカニズムを明らかにし、本接合法により機能性セラミックスとシリコンの接合が可能であることを示した。また、セラミックスによって接合の更なる低温化が必要であるが、その低温化の指針についても明らかにすることができた。
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[Publications] G.Sasaki,H.Fukunaga,T.Suga and K.Tanaka: "Mechanism of the anodic bonding of PZT ceramics to silicon wafer" Proc.of International Electron Deviced and Materials Symposia. Symposium C,E,F. 77-80 (1996)
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[Publications] T.Akatsu,G.Sasaki,N.Hosoda and T.Suga: "Microstructure and strength of Al-sapphire interface by means of the surface activated bonding method" J.Mater.Res.12. in print (1997)
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[Publications] T.Akatu,I.Misumi,G.Sasaki,N.Hosoda and T.Suga: "Microstructure of metal-ceramic interfaces fabricated using the surface activated bonding method" Proc.JIMIS-8,Interface Science and materials Interconnection. 193-196 (1997)