1996 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下の液相吸着を利用したゼオライト触媒上の活性点のミクロ環境評価
Project/Area Number |
08750899
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 達也 東北大学, 工学部, 助教授 (60174653)
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Keywords | p-ニトロトルエン / 液相吸着 / ミクロ細孔 / ゼオライト / 高圧力 / 溶媒和 / 紫外可視スペクトル / 部分モル体積 |
Research Abstract |
本研究ではゼオライト細孔内の触媒活性点のミクロ環境を評価することを目的として、液相中の分子の吸着状態を高圧力をプローブとした紫外可視分光法により分析した。 ゼオライト中の酸点やカチオンサイトは触媒活性点として重要である。そこで、それらの周囲の環境を分析することを意図して、吸着質として、Hammett指示薬の1つであるp-ニトロトルエンのヘプタン溶液を選んだ。また、ミクロ環境評価法の確立のてめの基礎的知見を集積するため、吸着剤として、細孔構造や交換イオン種の異なる種々のゼオライト(ZSM-5、Y、L、Mordeniteなど)を用いた。 吸着したp-ニトロトルエンはいずれも液相のピークよりレッドシフトしたUM-VIS吸収帯を示したが、各ゼオライトにおける吸収帯は、カチオンサイトへの吸着種と細孔壁面への吸着種の2つに帰属されるピークに分割され、そのうち、カチオンサイトへの吸着種はカチオンの形成する電場が強いほど大きなピークシフトを示すことがわかった。これはp-ニトロトルエンのニトロ基側からカチオンに吸着していることが示唆するとともに、ピークシフトが細孔内の静電場強度を反映する指標となることを示している。また、各吸収ピークの強度は加圧によって変化したが、その挙動はゼオライト種によって異なり、サイトまたは吸着分子の溶媒和が原因であることがわかった。交換カチオン種や細孔構造により、吸着に伴う部分モル体積変化値を整理したところ、細孔径とカチオンの電場の強さにより、p-ニトロトルエン吸着前のサイト上の溶媒和数が変化することが示され、細孔空間の3次元的構造に関する知見が得られる可能性が示唆された。
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