1996 Fiscal Year Annual Research Report
ウミホタルルシフェリン類縁体の電気化学誘導発光及びその応用に関する研究
Project/Area Number |
08750949
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡島 武義 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70194347)
|
Keywords | 化学発光 / 生物発光 / スーパーオキシドイオン / ウミホタルルシフェリン類縁体 / MCLA / サイクリックボルタンメトリー / 蛍光分光測定 / 分光電気化学 |
Research Abstract |
本研究では,今日様々な生体現象に関与していると言われている活性酸素種(スーパーオキシドイオン(O_2),過酸化水素,ヒドロキシルラジカルなど)の前駆体となるO_2とウミホタルルシフェリン類縁体(MCLA)との反応を電気化学的に制御すること及びその反応機構を解明することを主な目的とした。MCLAはO_2と特異的に反応し,化学発光すると報告されているが,その詳細は不明な点が多い。また,その反応の制御はO_2センサの開発の基礎となると考えられる。 今年度の研究成果は以下に示すとおりである。 1.窒素ガス雰囲気下でのMCLAの電気化学的挙動を調べ,その酸化反応機構を明らかにした。 2.酸素分子(O_2)及びMCLAが共存する溶液系において,電気化学測定と発光分光測定を同時に,すなわち'その場'測定できるように測定系を組み上げ,初めて同時測定を行った。O_2の電気化学的一電子還元反応によりO_2を生成させ,そのO_2とMCLAの反応による発光現象を発光スペクトルとして観察した。 3.O_2とMCLAの反応機構を明らかにした。発光反応のきっかけとなる反応はO_2によるMCLAからのプロトン引き抜き反応及びそれに引き続いて起こる生成したヒドロペルオキシラジカルと共役塩基型MCLAとの反応である。 以上の結果は,国内外の専門雑誌に投稿し,記載された。 本研究の今後の展開として,'O_2センサの開発'を念頭に置き,次のことを実現させるべく現在検討中である。 1.電極上へルシフェリンを固定するにはどのようにすればよいか?MCLAなどのウミホタルルシフェリン類縁体の新規合成を行う。 2.MCLAの一電子酸化体を電極上で安定に(長寿命に)存在させるためにはどのようにすればよいか?ラジカル種を安定化させるために電極表面に化学修飾を施す。
|
-
[Publications] Takeyoshi OKAJIMA: "Chemiluminescence of a Cypridina Luciferin Analogue by Electrogenerated Superoxide Ion in the Presence of a Lipophilic Ascorbic Acid Derivative" J.Electrochem.Soc.Jpn.(DENKI KAGAKU,In English). 64・12. 1276-1279 (1996)
-
[Publications] Takeyoshi OKAJIMA: "Chemiluminescence of a Cypridina luciferin analogue by electrogenerated Superoxide ion" Bioelectrochemistry and Bioenergetics. 41・2. 205-208 (1996)