1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750958
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高尾 雄二 長崎大学, 海洋生産科学研究科, 助手 (20206709)
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Keywords | においセンサ / 半導体ガスセンサ / アンモニア / 2層構造 / 昇温脱離スペクトル / 脱硝反応 |
Research Abstract |
本研究では,半導体型アンモニアガスセンサの高感度化のためには,センサ材料表面の負電荷吸着酸素とアンモニアガスとの反応により生じた窒素酸化物をガス感度に無害なN_2に還元する能力の高い触媒材料をセンサ材料として用いることが重要であるというこれまでの実験結果に基づき,この還元反応を効率的に進める触媒層材料の探索を目的として研究を進め,以下のような知見を得た。 触媒材料としてZrO_2,Al_2O_3,WO_3を用い,これにIrおよびAuを0.5wt%担持した粉末(例えば0.5Ir/ZrO_2と略す)を用いて,80%He+20%O_2混合ガス中,700℃で前処理した後,この粉末に120℃でアンモニアガスを吸着させ,室温まで冷却後,700℃まで酸素共存下の300ppmのアンモニアガス流通下でTPD測定を行い,脱離ガス種をガスクロマトグラフィーマススペクトルメーターで分析した。この分析の結果,NO_×のNH_3による還元活性の一つの指標であるN_2の離脱量は,0.5Ir/WO_3で最も多いことがわかったが,この試料からは、同時にNO_2も多量に脱離することおよび,未反応のNH_3の脱離量も他の試料と比較して多いことがわかった。 次に、これらの試料を用いて作成した単層型および二層型(検知層材料にはIn_2O_3-MgO(5mol%)粉末を使用した)センサ素子の300ppm NH_3に対するガス感度を測定した。測定した素子の中では、0.5Ir/WO_3を用いた素子が作動温度550℃で最大ガス感度は約25と比較的高い値を示した。他の素子も500℃付近で最大ガス感度を示したが、その値は高々6前後あった。また、二層型のセンサでも単層型とほぼ同じ傾向を示した。 以上の結果より、アンモニアの昇温脱離測定によりN_2脱離量の多い材料を探索する方法は、高感度半導体型アンモニアガスセンサ材料の探索に有効であることが示された。また、今年度探索した材料の中では、0.5Ir/WO_3粉末が半導体型アンモニアガスセンサとして最も適していることがわかった。しかし、この粉末では未反応のNH_3が残存することなどから、触媒担持量の最適化などが必要と思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Takao: "Ammonia Sensing Mechanism of Semiconductor Gas Sensors with Double-Layer Structure and Interface Electrodes" Book of Abstracts of 1995 Intern. Chemical Cong. of Pacific Basin Societies,Honolulu,Hawaii,USA. Anal.360 (1995)
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[Publications] 川副貴士: "Ir/WO_3 系素子におけるアンモニア昇温だる離スペクトルとガス応答" Chemical Sensors. 12(A). 17-20 (1996)
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[Publications] Y.Shimizu: "Ammonia Sensing Properties of WO_3-Based Specimens-Effect of Catalytic Activities-" Proc.of the Ceramic Sensors III,ECS 190th Meeting,Oct.6-11 San Antonio,Texas. in press (1997)