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1996 Fiscal Year Annual Research Report

2種類の金属を含む機能性有機金属化合物の設計および合成反応への応用

Research Project

Project/Area Number 08751014
Research InstitutionOkayama University of Science

Principal Investigator

折田 明浩  岡山理科大学, 工学部, 助手 (30262033)

Keywordsルイス酸 / 不斉反応場 / ビナフチル基 / 立体配置 / カ-バメート / スズ
Research Abstract

申請者は一方の金属がルイス酸として働き、もう一方の金属が立体的かさ高さによって、ルイス酸中心金属上に不斉反応場を与えるような分子の設計、および不斉合成への応用を検討した。
まず始めに不斉配位子としてビナフチル基、ルイス酸中心金属としてスズを有する錯体の合成を行なった。ビナフチル基はその立体的な嵩高さばかりでなく対称性の良さ(C2対称)から不斉有機合成反応にしばしば用いられる不斉配位子であり、高い不斉誘起能の発現が期待される。また、ルイス酸中心金属として取り上げたスズは、スズ上の置換基を変えることにより反応性の制御が可能であり、種々な反応性をもつスズ触媒の合成が可能であると考えた。
次にこのスズ化合物を触媒に用い、炭素-炭素結合生成反応を検討したが、いずれの場合にも反応はほとんど進行せず、目的化合物は得られなかった。この原因として、ここで用いたスズ触媒がルイス酸として弱すぎるために炭素-炭素結合が生成しなかったものと解析した。そこで、弱いルイス酸で十分に進行する反応として、アルコールとイソシアネートによるカ-バメート合成反応を行なった。この反応では基質としてC2対称面を持つジオールを用い、片側のアルコールだけを反応させることにより、光学活性なカ-バメートを得ることができた。生成物であるカ-バメートはHPLCによりその光学過剰率を算出した。さらに種々の反応温度でこの反応を行なったところ、反応温度に対する光学過剰率(ee)の逆転現象という興味ある現象が観測された。一般に、不斉合成反応では反応温度が低下するにつれ生成物のeeが高くなる。ところが本反応では、反応温度が低下するにつれて生成物のeeも低下し、遂には主生成物の立体配置の逆転が観測された。このような現象はこれまでに報告されておらず、現在はそのメカニズムについて検討を行なっている。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Chen,J. ; Sakamoto,K. ; Orita,A. ; Otera,J.: "Bis(pentafluorophenyl) tin Dibromide as a Novel Organotin Halide Lewis Asid Catalyst" Synlett. vol.59. 877-879 (1996)

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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