1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ積層高分子LB膜の光レドックス機能に関する研究
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08751017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 純 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50250709)
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Keywords | フェロセン / ルテニウムビピリジン錯体 / 高分子LB膜 / サイクリックボルタンメトリー / ヘテロ積層 / 分子素子 / 酸化的電子移動消光 / 光レドックス機能 |
Research Abstract |
1.種々のレドックス高分子LB膜の作製 レドックス種であるフェロセン誘導体及び光レドックス種であるルテニウムビピリジル錯体を優れたLB膜形成能を持つN-ドデシルアクリルアミドポリマー中に共重合法により導入した。それらの水面上単分子膜挙動及びLB膜形成能が調べられ、良好なレドックス高分子LB膜が得られることが示された。電極上に累積した各レドックス高分子LB膜のサイクリックボルタンメトリーを測定し、それらの安定性、可逆性や電子移動速度などの基本的な電気化学的挙動について検討を行った結果、単分子層LB膜ではレドックス種の表面濃度n寄らず電極との電子移動反応や速やかに行われるが、LB膜層間の電子移動速度はレドックス種の表面濃度に依存することが明らかとなった(Macromolecules, 29, 1996, 4662-4667)。 2.ヘテロ積層高分子LB膜の電気化学的特性 単一LB膜で得られた電気化学的知見を基に電極上に酸化還元電位の異なるルテニウム錯体とフェロセンを順に累積したヘテロ積層レドックス高分子LB膜を作製した。このヘテロ積層素子によって内膜にルテニウム錯体LB膜層を介して外膜のフェロセンLB膜層の酸化還元状態の制御(スイチング機能)、電荷の蓄積(メモリー機能)や電流の整流特性(ダイオード機能)などの分子機能が発現されていることを明らかにした(Chem. Lett., 1996, 563-564)。 3.ヘテロ積層高分子LB膜の光レドックス機能 分光蛍光高度測定よりフェロセンとルテニウム錯体からなるヘテロ積層レドックス高分子LB膜が接触界面だけでなくLB膜層間においても光励起されたルテニウム錯体がフェロセンによって消光されることから酸化的電子移動消光することが明らかとなった。このことから光誘起に基づくレドックス分子素子の構築を期待できることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Electrochemical Characterization of Redox Polymer Langmuir-Blodgett Films Containing Ferrocene Derivatives" Macromolecules. 29. 4662-4667 (1996)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Electrochemical Behavior of Hetero-Deposited Redox Polymer Langmuir-Blodgett Films with Ferrocene and Tris (bipyridine) ruthenium Derivatives" Chem. Lett.563-564 (1996)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Drawing Fine Patterns with Cross-Linkable Polymer Langmuir-Blodgett Film" Chem. Lett.667-668 (1996)
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[Publications] 青木純: "ラングミュアーブロジェット膜の基礎と高分子組織体への応用" 色材協会誌. 69. 761-771 (1996)
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[Publications] Atsushi Aoki: "Molecular Patterning Using Two-Dimensional Polymer Langmuir-Blodgett Film" Adv. Mater.9(in press). (1997)