1996 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒を用いるクムレン類の多成分重縮合反応の開発
Project/Area Number |
08751020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
富田 育義 東京工業大学, 資源化学研究所, 講師 (70237113)
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Keywords | クムレン類 / アレン類 / アセチレン類 / 多成分重縮合 / ポリアリーレンビニレン / グラフト共重合体 / カップリング反応 / 遷移金属触媒 |
Research Abstract |
3成分以上の連結反応からなる重縮合反応が開発できれば多彩な高分子設計が可能となるのみならず、高分子への機能性の付与に基づく様々な応用展開が期待できる。本研究では、アレン類(およびその前駆体のアセチレン類)をモノマーとして用い、遷移金属触媒による芳香族ハロゲン化物、求核剤との多成分カップリング反応を応用し、またさらに素反応を開発し、既存の重縮合、重付加では困難である3成分以上のモノマーを同時に高分子骨格に秩序立てて導入できる重縮合反応を開拓し、機能材料の構築へと展開を図ることを目的に以下に示す研究を行った。 まず、アレン類、アリールハライド類、求核剤とのカップリング反応を用い、3つのモノマー成分の高分子構造への導入を検討し、目的の骨格をもつポリマーが得られることを明らかにした。さらに本重合反応における求核剤、アレン骨格等の高分子構造に及ぼす影響を詳細に評価し、置換ポリアリーレンビニレンなどの材料への展開、および得られたポリマーのEL素子への応用の可能性を評価した。 また、アレン類、アリールハライド類、求核剤のカップリング反応を基盤とした種々の重合設計の可能性を検討した。すなわち、単可能性アレン類と求核部位をもつアリールハライドとの重合、アリールハライド部位をもつアレン類と求核剤との重合反応をそれぞれ行い、目的のポリマーが得られることを明らかにした。さらに、本重合反応に高分子求核剤を用いた場合、重縮合反応と同時に別のポリマー鎖をグラフト化できることを明らかにした。 アレン類の他にアセチレン類を用いる重合反応についても別途検討を行い、分子内環化によりベンゾフラン、インドール環等を生成しながら進行する重合反応、マロン酸エステル類をヒドリド源とするカップリング重合などへと展開した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nobuyuki Miyaki: "Three Component Coupling Polymerization of Bisallene,Aryl Dihalides,and Nucleophiles via Allylpalladium Complex" Macromolecules,. 29. 6685-6690 (1996)
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[Publications] Nobuyuki Miyaki: "Three Component Coupling Polymerization of Bisallene,Aryl Dihalides,and Nucleophiles via Allylpalladium Complex.II.-Effect of Nucleophiles on Polymerization Behavior-" J.Polym.Sci.:Part A:Polym.Chem.(印刷中).
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[Publications] Nobuyuki Miyaki: "Three Component Coupling Polymerization of Bisallene,Aryl Dihalides,and Nucleophiles via Allylpalladium Complex.III.Synthesis of Polymers from Nucleophiles Beaning Aryl Halide Moiaies" J.Polym.Sci.:Part A:Polym.Chem.(印刷中).
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[Publications] Takeshi Endo: "Novel Polymerization Methods for Allene Derivatives" Progress in Polymer Scienece,. (印刷中).
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[Publications] Takeshi Endo: "The Polymeric Materials Encyclopedia,(分担)" CRC, (1996)